第48話
「
「うむ」
と
「
と言って笑みを浮かべた。そこへ、急ぎ足で布美がやって来て、
「
と声を上げて部屋へ入って来た。
「布美、落ち着きなさい」
「兄上にご挨拶を」
と深く頭を垂れてから、
「
と深く頭を下げた。
「うむ。長く待たせたな。布美、こちらへ」
と
「淋しい思いをさせて済まなかった」
「
と
「布美、夫を部屋までお連れして休ませなさい」
と布美に言った。
「はい、兄上」
布美は兄に頭を下げて、
「
と声をかけて、
二人は部屋へ入ると、どちらともなく身体を寄せ合い、口づけを交わした。熱い息が漏れると、服を脱ぎ棄てて身体を重ね、愛おしそうに互いの身体を撫で合う。二人の身体は熱を帯び、汗は混ざり合い、芳醇な香りに更に昂り、十分に満足すると、二人はそのまま眠った。
「
「お召し物を」
布美が言うと、
「うむ」
「ありがとう」
と言って、布美の頬に口付けをした。
「食事の用意が出来ております」
「うむ」
二人は皆が待つ部屋へと向かった。そこには既に多くの人が集まっていた。
「
出雲の者たちが次々と
「うむ」
宴が始まり、皆が酒を酌み変わり、歓談しているのを
「俺と共に葛城山へ行こう。俺の父にお前を娶ったことを報告する」
と笑みを向けて告げた。
「はい」
と布美は
宴が終わると夜も更けて、二人はまた身体を重ねて、熱く情を交わして眠った。
夜が明けると、
「
「はい。こう見えても、足腰は丈夫です」
と
「そうか、頼もしいな」
「温泉があると聞いたが?」
と
「もちろん、ありますとも。けれど、ここから十町ほどありますよ。もう陽も暮れましたから、明日、行ったらいいですよ」
と答えた。
「そうか、ありがとう」
と
「
と笑みを向けて、
「疲れただろう、ゆっくりお休み」
と言って、床に就いた。
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