第42話
それから三人は街を歩き、工芸品などを見ていた。そして、朱色の美しい玉が幾つも付いた首飾りを見つけた
「おっ! これ、すごく綺麗だ!」
と飛びつくように駆け寄ると、
「そうでしょう? この綺麗な色はなかなか無いよ。今を逃したら手に入らない」
と商売上手な男が言う。
『それを貰おう』
「俺に買ってくれるのか?」
と
『そうだ』
と
「そりゃあいい! あんた、いい物を買ってもらったな」
と
「うわ~! 本当に綺麗だ!
と
『うむ』
と
『つけてやる』
と言って、
「
「おう!」
と
「これ、ずっと大切にする!」
と誓いのような言葉を言った。
『うむ』
『腹が減っただろう?』
と
「おう、腹が減ったな」
「飯なら、すぐそこで食べられるよ」
と指を指した。
『うむ』
と
『行こう』
と
「いらっしゃませ! どうぞこちらへ!」
と店の者が席へ案内した。
『うむ』
「みなさん、どちらから来たんです? まるで仙人みたいだ。それに、こんな美しい人たちは見たことがない!」
と店の者が言う。すると、酒を飲んでいた男たちも、
「ほんまや。なんて美しい!」
と口々に言う。そんな騒々しさに
『騒々しい』
と一言言った。
「まあ、まあ。そう、騒がないで。俺たちは旅をしている。弟たちが腹を空かせているので、何か持ってきてくれ」
と
「
と聞くと、
「おう! 肉がいい!」
と元気よく答えた。それを聞いて、
「男やったのか! こがに
と一人の男が言って、また、騒々しくなった。それに
『ふんっ!』
と鼻を鳴らし、
『
と男たちへ眼光を飛ばすと、男たちはばつが悪そうに肩をすくめて鎮まった。
「ごめんね、気を悪くしないで。二人の仲を察して欲しい」
と
「そがなことか。こちらこそ、失礼な事をして済まざった」
と男たちが謝る。それを見て
店の者が料理を運んでくると、
「おっ! 美味そう!」
「ほら、お前も食えよ!」
と
『うむ』
と言って、それに口を付ける。
「美味いだろう!」
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