第39話
「海を越えて、
と
『うむ』
「
『うむ』
と
『海の上では暴れるなよ』
と言う。
「おう! 大人しくしている! 海に落ちたら嫌だからな! お前、ふざけて俺を落とすなよ!」
『ふんっ!』
と
「おい! 強く抱くな! 苦しいじゃないか!」
『それなら、お前が俺に抱きついていればいい』
と
「おう! そうだな」
「よし、行っていいぞ!」
と言った。
『うむ』
と返事をして飛翔した。それを見て
「さて、そろそろ
と
「おう!」
と
「もう下ろしていいぞ」
と言うと、
『ふんっ!』
と
『何だ?』
「落とさなかったな」
と
三人が街を歩いていると、
「いい匂いがするぞ!」
さっそく、鼻の利く
「うん。食事が出来る店があるかもしれない。匂いを辿れ」
「
『
と声をかけて、その頭を撫でて、
『鼻が利くな』
と笑みを向けた。
「おう!」
「さて、入るぞ」
「何だ? お前ら? 何か言いたい事があるなら言えばいいだろう?」
「神が降臨なされたと、皆が言っていた。もしや、その神ではないかと」
と男が恐る恐る言う。
「はっはっはっー! そうだぞ! 俺たちは神だ!」
『お前はどう見ても神には見えない』
と
『俺たちは神ではない。仙人だ。今のは、この者の戯れだ。まだ幼いので、大目に見てくれ。こいつが腹を空かせている。何か用意してくれ』
と言った。
「そうでしたか。仙人さまでしたか。どうぞお座り下さい。ここは港に近く、魚が美味しいですが、魚でいいですか? それとも肉がいいですか?」
と男が聞く。
『子狐、何が食べたい?』
「肉!」
と
『では、肉を』
と店の男に言うと、
「はい、今お持ち致します」
と店の男は言って奥へ入っていった。三人は空いた席に座り、
「
と
「おう、少し疲れた」
と答えた。
「そうか、それなら、食事のあと宿を探そう」
「仙人さま、宿をお探しですか?」
と隣の席に座る男が聞いた。
「うん。どこか泊まれるところはあるか?」
と
「はい、ございますとも。お食事が済んだら、ご案内しますよ」
と男は笑みを向けて答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます