第30話
「
「教えるわけがないだろう?」
と偽物の男が言う。
「そうだろうな」
そう言うと
「さて、お前に聞きたい事がある。お前は何者だ? 名を言え」
「
「何故ここにいる?」
「叔父の命令だ」
「ここで何をしている?」
「徐福の身代わり」
「なぜ、身代わりを?」
「徐福がいなくなったことを知られないため」
「徐福がいなくなったら、何が起こる?」
「
「術師が来たらどうなる?」
「呪縛して隠した徐福が見つかり、
「徐福はどこにいる?」
「裏の小屋に中」
そこまで聴き出すと、
「
「
「それは誰の屋敷だ?」
「
「そうか。お前を殺しはしないが、俺には逆らえないよう縛る」
「お前の配下の者たちは、お前の命令に従い命を落とす事となった。弔ってやるがいい」
小屋の中には静かに座して目を閉じた徐福がいた。呪縛されている身でありながら、身体から発せられる光は、その存在が神であることを物語っていた。
「外に居て」
と声をかけて、徐福へと向き直り、
「あんたが徐福だな? 神でありながら、なぜ、人に縛られたふりをするのだ?」
と尋ねた。神である徐福があの程度の者たちに縛られるはずもないのだ。
「人の世に身を置く私は、人の
と徐福は柔和な表情で述べた。
「あんたの言う通り。俺に得は無くても、俺はあんたの呪縛を解く。あんたは人の欲の為に、こんな目に遭った。俺は人として、これを見過ごすことは出来ない」
「外に十人の遺体がある。そして、お前の身代わりをしていた者は、俺の縛りでこれ以上の悪事を行う事は出来ない。後の事は、あんたに任せる。俺たちは急いでいるから、もう行く」
「あの書に書かれていた術の何が知りたい?」
と徐福が聞く。
「教えてくれるのか?」
「うむ。今、その術の方法を書いてやろう」
徐福が答えた。
「本当か⁉ それなら、今すぐに書いてくれ」
そう言うと、
「では、どの術を知りたい?」
と再び訪ねた。
「蘇生術を」
「これがその術の方法だ」
そう言って、徐福がその紙を
「うん! ありがとう!」
「それでは、もう行きなさい。あの者には時間がない」
と
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