第29話
「ところで聞くが、あれは何という山だ?」
「
と男が答えた。
「そうか。この山に
「ああ~、居ますとも、居ますとも。徐福様は神様ですよ。最近、お見掛けしないですが、神様ですからね。病気になったわけじゃないでしょうから、いらっしゃると思いますよ。
男は言った。その口ぶりを聞けば、徐福は神として皆に親しまれているようだった。
「教えてくれて、ありがとう」
「それじゃあ、行こうか」
と
「なんだ? 誰か俺たちを見ているぞ? 出て来いよ」
と声をかけた。しかし、その気配の者たちは姿を見せない。
「妖しい奴らめ!」
『気にするな』
と眼差しを向けた。
「
「彼らは何者だろうか? 俺たちに敵意を向けている」
『それなら、敵なのだろうな』
と
「
と声をかけた。すると、社から男が一人現れて、
「私にどんな御用でしょうか?」
と聞いた。
「あんたが徐福か?」
「そうだ」
と徐福が答える。
「そうか。会えてよかった。あんたに、頼みがある。
と単刀直入に言うと、
「それは出来ない。あれは禁術。人に見せる事も、術を教える事もしないと決めている」
と徐福が答えた。
「そうか、それは残念だ。あんたが、そういうつもりなら、俺は無理にでもそれを見る事になる。俺には必要な術がそこには記されているという。あんたには悪いが、少し手荒な事をしなくちゃならない」
「それならば、私も容赦はしない」
徐福も
『
と静かに声をかけた。
「
と振り返らずに言うと、
『ふんっ! 言われなくとも』
と
「
『ふんっ! 見くびるなよ』
「子兎、お前って強いんだな?」
『ふんっ! 無論だ』
と
「
『ああ、こいつらの親玉だ。だが、妖邪ではなく、みんな人だ。それでも、敵なら殺す』
と
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