第25話
「街に活気がある。少し歩こう」
「
腕に抱いている
「おう!」
「さあ、行こうか」
「この飾りは、お前によく似合っている」
「そうだろう? 俺も気に入っている」
と
『
「そうだな。
「おう!」
と
三人並んで街を歩いていると、ちらちらと人々の視線が向けられ、何かこそこそと話しているのが気になった。
「なんで、みんな見てくるんだ?」
『お前が海で人を助けたことが知れ渡ったのだろう』
「そうか。少し目立ったかもな」
「なんか、いい匂いがするぞ」
鼻の利く
「
「ここだ!」
「偉いぞ」
「いらっしゃいませ!」
と声を裏返らせた。
「そんなに驚かないで。俺たちは敵じゃない」
苦笑いしながら
「神様! どうぞこちらへ!」
客が自分の席を空けて、その席を勧めた。
「ありがとう。でも、空いている席があるようだから、席を空けてくれなくてもいい」
客の男にそう言って、
「ねえ、あんた。この席に座っていいか?」
と店の者に聞くと、
「どうぞ、どこでも、お好きな場所にお座り下さい、神様」
と
『俺は神ではない。海で人を助けたのは俺ではなく、こいつだ』
と言って、
『こいつはこう見えても、優れた術者だ。人の乗った船を浮かべて岸まで運んだ』
「神様! こちらにいらしたのですか!」
と駆け寄った。それを見た者たちは、やっと、
「おお! このお方が神か! よく見ると穏やかなお顔立ちに、品のある佇まい。正に神だ!」
とついさっきまで、疑いの目を向けていた者が言う。それを見て、
「なんだよ? さっきと態度が違うじゃないか」
と
「まあ、まあ。みんな落ち着いて。俺は神じゃない。仙術と呪術、それに法力を使える」
と
「ほう?」
皆、呆けたような顔をしている。理解が追い付かないようだ。
「仙人と呼ばれたり、術者と呼ばれている」
と言い方を変えると、
「ほう! 仙人さまでしたか!」
それで納得したように、皆が頷いている。
「さて、
「肉、それと魚」
と答えた。
「
『青菜以外』
と答えた。
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