第21話
『人よ、お前の名を聞こう』
山の神が尋ねると、
「俺は
と
『うむ、覚えておこう』
山の神は満足して姿を消した。
『我はなぜ呼ばれた?』
海の神が不満げに言う。
「海の神、貴方のおかげで山の神が姿を現した。偉大な海の神に感謝を」
「偉大な海の神に感謝を」
皆がその言葉を繰り返す。
『まあ、これで良しとしよう』
海の神も満足げに笑みを浮かべて姿を消した。
「
と
「お気遣いに感謝する。しかし、俺たちの服はもう乾いた」
と
「お前は一体、何者なのだ?」
と
「俺は葛城山で修行をして仙術を身に着けている。呪術も使う」
と
「まさか、あの
と
「そうだ」
「なるほど。それで合点がいった。もっと早く言ってくれ。これまでの無礼を詫びよう」
と
「頭を上げてくれ。俺より、貴方の方が立場は上だ」
この一件から、皆の態度が変わり、
「なんだ、こいつら。あんなに俺たちを邪険にしていたのに。急に態度を変えたじゃないか」
「それが人というものだ。お前も、美味しいものが食べられて満足だろう?」
「ほら、
食事が済むと、
「今日はここで、ゆっくりお休みください」
「うん。ありがとう」
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