第19話
翌朝、
「布美、おはよう」
「お召し物を」
と言って、布美は
「ありがとう」
「恥じらうところも可愛い」
と頬に口付けした。
「
布美が言うと、その口を塞ぐように
「布美、ありがとう」
「さて、あの二人はどうしているかな?」
二人が寝ている部屋へ行くと、
「なんだ、仲良しじゃないか」
「
と呼んで四つ足で立つと、激しく尻尾を振った。すると、
『おい! 子狐! 尻尾が当たったぞ!』
「お前が避けないからだろう?」
『謝れよ!』
「何でだよ! わざとじゃないのに!」
『わざとじゃなくても、謝れ!』
と
「嫌だよ! お前、
と
『はっ! 淋しがっていたのはお前だろう? だから俺が一緒に寝てやったんじゃないか!』
二人の会話を聞いていた
「そうか。俺がいなくて淋しかったんだな?」
と言うと、
「こいつがな!」
と
「二人とも、おいで」
「淋しがるなんて、お前たちは可愛いな」
と彼らに頬を寄せる。懐に抱かれた白兎と子狐は互いを押し合いながらも、
「まあ、この子達ったら甘えん坊ね。
と布美も負けじと
「こいつらは俺の友で、お前は俺の妻だ」
そして、布美を抱き寄せて口付けをした。
「朝から仲の良いことだな」
「兄上!」
布美は恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
「朝食の準備が出来ている」
そう言って、出雲布奈は彼らを食事に誘った。
朝食を済ませると、
「布奈、世話になったな」
と
「布美、迎えに来るまで待っていて」
と布美に言葉をかけ、
「
と布由の頭を撫でた。
「はい、
と布由が言って、
「無理に兄上と呼ばなくてもいいよ」
と
布美は別れが辛く、その目が潤む。そんな姿を見ると、
「布美」
と名を呼び、その身体の温もりを確かめるように抱きしめた。
「必ず戻る」
「
と声をかける。
「うん。行ってくる」
そう言って、
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