第18話
その夕刻、出雲氏の屋敷では、
「布美、お前の美しさに皆が霞んで見える」
隣に並ぶ布美を見て
「まあ、
と布美は頬を赤く染めて微笑みを返す。
「お前は着飾らなくても綺麗だが、その服はとても似合っている」
「嬉しい」
と布美は満面に笑みを浮かべた。
宴に集まったのは出雲氏の者と、近しい者たちで、布美が男であることを知らない者もいた。
「なんと美しい方だ」
「あの
と言う声が聞こえてくる。すると、
「あれは
と誰かが言う。布美が男だと知ると、小さなざわめきが起きる。皆、思う事を口にしている。それが布美の耳に届く事を案じ、
「布美」
「皆がお前の容姿を褒め称えているが、そんな言葉は聞かなくていい。俺の美しい妻であるお前には、俺の言葉だけを聞いて欲しい」
と言った。
「
「うん、ありがとう」
「布美、疲れだろう? ゆっくり休むといい」
「
と布美は恥ずかしそうに言った。
「そうか。お前が望むのなら」
「お前を傷つけはしないよ」
と耳元に囁いた。布美の身体に痺れが走り、それが何とも言えない快感だった。
「
布美はそう言って、彼の身体に縋りついた。その後二人は互いの肌に触れて、その温もりを確かめ合う。
「布美」
「ゆっくりお休み」
そう言って布美の身体を抱いてそのまま眠りについた。
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