第17話
「
と
「うん、ありがとう。そうさせてもらうよ」
と
「それと早速だが、お前がここを発つ前に、祝言を挙げておこう。今から準備をさせるから、夕方には始められるだろう」
と布奈が言う。
「うん。その時間まで、少し街を歩いて来る」
『お前、唐突過ぎではないか?』
白兎の
「何が?」
『
と
「ああ、これも縁だ。
『布美は冗談で言ったのだろう? あいつは男だ』
「いや、あれは布美の本心だ。ただ、俺がそれを冗談として断るだろうと思っていたんだ。俺には布美の心が見えている。俺に惚れてくれた布美の気持ちに答えたかった」
『そうか』
と
「
「あれは、母が今わの際に授けてくれたものだ。それ以来ずっと持ち歩いている」
と
「お前の母さん、死んだのか?」
と言って、
「
「あの首飾りは、俺の妻になる者にあげようと決めていた。だから、布美にあげたのだ」
そう
「そうか! それは良かった」
三人は街で売られている珍しい工芸品などを見て回った。
「ここは楽しいな! 面白いものがたくさんある!」
「欲しいものはあるか?」
と聞いた。
「この間のセミの玩具は壊れてしまったからな、壊れないものがいい」
先日、都で買った竹細工のセミの玩具は、
「そうだな」
「これを貰おう」
そう言って代金を払い、
「
「どうだ? 似合っているか?」
「うん、よく似合っている」
と
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