第16話
「
そう言って、
「うん、久しいな。
と
「はははっ! お前こそ立派ではないか。あの大戦で生き抜いた。壮絶な戦いだったと聞く。大戦のあと、お前は消息を絶ち、何をしていたのだ? 狐を連れて、懐には
布奈には
「何があったのか、俺に話してくれ」
布奈はそう言って、
「俺たちは大事な話があるから、お前たちは出ていなさい」
と弟たちに言った。
「いや、構わないよ。彼らはお前の身内。信頼している。だから、ここに居ていいよ」
と
「そうか」
布奈はそう言って袖を振ると、彼らのいる部屋は結界で包まれた。
「さあ、話してくれ」
布奈にそう言われて、
「うん。まずはこの子を紹介するよ。名は
「
と紹介した。
「うむ」
「それから」
と
「
布奈は驚くこともなく、ただ、古くからの友人を懐かしむように言った。
『ああ、久しぶりだな。俺の姿が滑稽で笑えるだろう?』
と
「はははっ。その悪態ぶりは実に懐かしい。本当に会えて嬉しいよ」
と布奈は嬉しそうに言った。それを聞いていた、布奈の弟の布美が不思議そうに兄を見て、
「兄上はこの白兎と話しているのですか?」
と尋ねた。
「ああ、そうだ。お前はこいつを知らないだろう」
と布奈は言ってから、
「彼は
と
「お前には隠し事は出来ないな。さすが神の子孫」
出雲氏は遡れば、
「褒めは要らない。お前と
布奈が冷静に質問して、
「なるほどな。『
布奈は静かにそう言ったが、鬼術を使う事には思うところもあった。けれど、
「それでは
布美が言うと、
「うん。まだ先は長い」
と
「それにしても、布美は本当に綺麗なったな」
と褒めて笑みを浮かべた。すると、布美は頬を赤く染めて嬉しそうに、
「
と言った。それに対して
「うん、そうしよう」
と答えた。それに布美は驚き、呆気にとられた様な表情で
「
と布奈が言うと、
「布美は本気で俺に惚れている。だから俺も冗談は言っていない。布美は俺が娶る」
とはっきりと言った。
「知っていると思うが、布美は男、子は成せぬ」
と布奈が言うと、
「構わない。兄であるお前の前で娶ると言ったのだから、俺はこの約束を違えたりはしない」
と
「布美、お前はいつでもこれを断っても構わないよ」
と布美に優しく微笑んだ。
「そんな事はしないわ!」
と布美は高らかに言った。
「うん。そう言ってくれて嬉しい」
「
布美が言うと、
「布美、それは駄目だ」
と兄の布奈が言った。
「うん、布美、お前は俺の妻になる身だから、危険な目に遭ってほしくはない。兄の元に居なさい。事が済んだら必ず迎えに来る」
「布美、おいで」
と布美に手招きした。
「はい」
布美が
「これをお前にあげよう」
そう言って、布美に首飾りを付けた。
「まあ、綺麗」
布美が嬉しそうに笑みを向けて、
「
と言うと、
「うん。気に入ってもらえたら俺も嬉しい」
と
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