第14話
「
と
大戦については、赤麻呂も知っていたが、その壮絶さを目にしたわけではないため、
「なんと恐ろしいことだ。
赤麻呂にとっても、
「その事についてだが」
と
「なんだ? 他の者に聞かせられない秘密でもあるのか?」
と興味深げに、赤麻呂が聞く。
「ああ。お前、この
「ああ。狐だろう? お前が連れている友人なら、何者でも構わない。だが、秘密は狐ではないだろう?
と赤麻呂が問い返す。
「まあな」
そう言って、
「おや?
と驚きながらも、笑みを浮かべる赤麻呂だが、
「それで、このあと、
と聞いた。
「ああ。
「それは知らない。聞いたこともないが? そんな書があったら、みんな血眼になって探すだろうよ。お前が
と赤麻呂が答えた。
「なら、
と
「徐福……。どこかで聞いたような名前だな?」
と考えて、
「ああ、思い出した。昔、大陸から不老不死の妙薬を求めてこの国へ来た渡来人だ。その事について書かれた書があったはず」
と赤麻呂は書棚から一冊の書物を持って来た。その頁を、徐福と呟きながらめくると、
「あった! これだ」
と言って、その頁を
「ほら、ここを読んでみて」
と言われて
「まさしく、これだ。不死の山で出会った仙人が言っていた」
と呟く。
「え? お前、不死の山へ行ったのか? その禁書を求めて? それで、仙人に会っただって?」
と赤麻呂は驚き、
「それで、禁書の名を『鬼術十編』と教えてもらったのか?」
と聞くと、
「そうだ」
と
「
「ここに、ほら、火の国と書かれている。そこに金立山がある」
と言った。
「火の国か。本当に、随分と遠いな。赤麻呂、お前に聞いて良かった。ありがとう」
「お前の役に立ったのなら私も嬉しいが、徐福という者が火の国を訪れたのは、大昔の話だ。大陸の始皇帝の時代だぞ? 生きているはずはない」
と赤麻呂は言った。
「普通なら生きてはいない。だが、不老不死の妙薬を手に入れたなら?」
と
「なるほどな。それなら可能性はある」
赤麻呂は納得して頷いた。それから、さっきから気になっていた
「
と声をかけた。
『赤麻呂、この姿の俺に何を聞きたい?』
と
「ああ、本当に
と赤麻呂が言うと、
『この状態は生きているとは言い難い』
と
「まあ、俺はこの
『やめろ』
と
「二人とも元気そうで何よりだ。
と言って、笑みを浮かべた。
「うん。ありがとう」
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