第4話
戦いは終わった。
戦場の遺体は、
「
「俺は……。
と
「分かっているはずだ」
父が言うと、
「俺は知っている。霊魂を身体に戻す秘術があることを」
と
「それは秘術。そして、禁術だ。決して、使ってはならない」
父は厳しく言った。そして、
「その秘術は、もう誰も知らない。諦めろ、
と言葉を続けた。しかし、
「俺は
「分かった。お前は、今を持って破門とする。ここを出て、好きにするがいい」
これは父の愛情であると、
こうして、
「このままではまずいな」
旅に出てから七日目、ある山道を歩いていると、茂みの中から真っ白な子兎が飛び出してきた。真向いから来る男がそれを捕まえ、
「これはいい。今日の飯にしよう」
と言った。それを見た
「旅の御方、どうか、その白兎を俺に譲ってはくれないだろうか?」
と尋ねた。
「はあ? こいつは俺が捕まえたんだぜ? これが欲しけりゃ、何かと交換だ。例えば、その腰に差した剣ではどうだ?」
と男は悪意の籠った笑い顔を見せた。
「これがいいんだんな? では、これと交換だ」
「それじゃあ、そいつと交換だ」
そう言って、白い小さな兎を
「ああ、これは大変だ。どうやら、この霊剣に触れる事すら出来ないようだな。可哀想に」
「死んではいないようだな?」
そう言って、男を道の脇の木の根元に寝かせて、
「剣が駄目なら、これと交換だ。ああ、意識がないんだったな?」
そう言って、
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