私が旅に出る理由

 最終目的地の長崎に至るまで、友人達の応援 (ツッコミ)を受けながら進みました。

 電車の中で爆睡して、アナウンスを「博多」と聞き間違え「赤間」で降りて途方に暮れたり。のんびり博多ラーメン食べて替え玉してたら、予定の電車に乗り遅れたり。


 到着した長崎での出来事は、別のエッセイに少し書いたので割愛します。広島で焼酎を土産に買い、おいちゃんと再会して、2人で語り合いつつ死ぬほど酒を飲みました。仕事もあるので翌日吐きそうになりながら、新幹線でとんぼ返りしたことは良き思い出です。


 宿酔いでグダグダの私に『家に着くまでが遠足ですよ』と、友人達が先生のように優しく指導 (ツッコミ)してくれたお陰で、無事に地元に辿り着くことが出来ました。


 最後まで実家に帰省しなかった私に、母はガミガミ言っていました。でも子供達は自立心を身に着け、お土産と夏の思い出を貰って喜んでいたので結果オーライです。

 そんな煙に巻くようなことを言うから「そういうとこお父さんにそっくりね!」と叱られるのです。


 そりゃ親子だし似るだろうな。(小声)


 酔い覚ましにコンビニで氷菓でも買おうと思って、家の近所を歩いていたら、ちょうど実家から帰って来た子供達とばったり会いました。

「ただいま」「おかえり」と言うより先に「アイス買って」と言う可愛い我が子達。みんなでアイスを齧りながら家に辿り着いた私は、荷物を下ろして定番の台詞を呟くのでした。


「やっぱりおうちが一番だね」と。




 さて、ごちゃごちゃとアホなことを書いてきましたが。


 そもそも何故私は旅に出るのか。


◎不意に湧き上がる衝動 (中二病的冒険心)

◎日常のモヤモヤをリセットしたい

◎純粋なる好奇心 (ネタ探し)


 出来ることなら何も持たず、近所のコンビニに行く気軽さで旅に出たい。夜露をしのぐ場所さえあれば、草を枕に野宿でも構わない。

 ファンタジー世界の冒険に憧れ、肉体の感覚や現実の諸々に阻まれながら、様々な出会いと別れを繰り返す。

 そんな衝動に駆られた時は、すぐに帰れる隣の県や市内に宿を取り、1人で一晩過ごすこともあります。家族を愛してはいますが、私にとって自分1人に戻る時間は、とても大事なものなのです。


「人生とは旅のようなものだ」と言いますが、確かに旅を終えると、1つのカタルシス効果を得ることが出来るような気がします。

 旅の始まりに新しい自分が生まれ、旅の終わりに古い自分が死ぬ。


 そんな青臭いことを考えながら旅をしている自分がけっこう好きだったりします。だからこれは「旅の恥はかき捨て」ではなくて、「人生も旅も恥かいてなんぼ。楽しもうぜ!」を体現した熱いエッセイなのです。


 最後までお読みいただきありがとうございました。


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