箱……箱?……箱根?……小田原……新松田!

奇蹟あい

今は昔。私が小学生の頃の思い出

 テーマは箱!


 箱といって最初に思い浮かんだのが箱根でした。


 箱根湯けむり殺人事件なんて書けないので、箱根の思い出……と思ったけれど、大涌谷やら温泉卵やら、まあ行ったことはあるけれどぼんやりとした思い出しかないのです。


 ということで、少し電車の路線図を思い浮かべてください。(ジモティーではない方はネットで調べてみてね)箱根登山鉄道の『箱根湯本駅』から少し戻って『小田原駅』そこから小田急線(相互乗り入れもあります)に乗って『新松田駅』へ。


 そう、新松田。


 私にとって思い出深い場所です。


 どんな思い出かというと、家族で川沿いのバンガローに泊まった思い出ですね。

 小学生くらいの時、父と母と4歳下の弟と家族4人で毎年通っていた場所があったのです。


 新松田駅から路線バスに揺られること1時間ほど。

 今はもうないのですが、足柄のどこかの川沿いにあった、生活クラブが経営する協同村という施設。そのバンガローで、私たち家族は毎年、年末年始の年越しを過ごしていたのでした。


 たぶん4年間か5年間か、おそらく私が小学生時代のほとんど毎年の恒例行事だった気がします。


 協同村には、川沿いに10棟かそこらのバンガロー(丸太で組まれた山小屋)が点在していました。中心に管理棟があって、そこがレストラン経営をしているような素朴な作り。テント泊をするような人が来ないような初心者向けの施設ですね。


 川は漁業券というのでしょうか、1日釣りができる券を販売していて、マスやハヤなんかを釣っては焼いて食べたりもしました。


 釣りは魚がすぐに釣れると楽しいですが、まったく釣れないこともあり、そうなると小学生の兄弟はすぐに飽きてしまうのです。粘って釣り続ける父を残して、河原できれいな石探し。


 これがまた、なかなか良い河原でして、純度の高い真っ白な石英がゴロゴロしているんですね。石同士をぶつけあうと火花が散るような。おそらく山に入ればすぐに水晶が取れる場所なんだと思います。

 紫水晶のかけらなんかは拾ってはコレクションしていた記憶があります。



 あれ? これって、思い出を語り続けるといくらでもいけてしまいますね。そろそろ締めましょう。

 エッセイの終わり方がわからない……。そもそも書き方もわからない。



 そうそう、この生活クラブの協同村がですね、たぶん私が小学校5年か6年か、それくらいの時突然閉鎖されてしまったんです。

 たぶん経営難とか単純な理由だと思いますが、毎年年末に遊びに行く場所が消えてしまいました。

 とても悲しい。


 最後のお別れ会のような行事にも参加し、そこで使われていた飯盒や食器や、アウトドアグッズを無料だったり安価だったりで集まった人たちに持ち帰ってもらい、施設が閉じていく。

 子どもながらに涙した思い出……。


 私は管理棟のレストランの本棚に置かれていた、さいとう・たかを先生の『サバイバル』全巻を譲っていただきました。


 持ち帰るのは大変でしたが、大切な宝物です。


 今も我が家の本棚にあって、たまに読み返したりしています。



 数年前、両親と昔の思い出の話になり、「そういえば協同村ってどこにあったんだっけね?」と話を振るも、当時の資料など何も残っていなかったようで、正確な住所はわからない……。


 ネットで探してもそれらしき情報は見つけられず。


 どうしても気になってしまった私は、南足柄のあたりだったかなーと、実際にいくつかの川を見に行ってみたのです。しかし、あの辺りは川も多く、結局思い出の場所にはたどり着けませんでした。


 なんだか、大倉らいた先生の『坂物語り』みたいだな、って。

 

 途中からなんだか楽しくなったりもしましたが、日帰りでは見つけられませんでしたね。



 もうあの施設はないとしても、きっと川はいつまでも同じように流れているはず。


 いつかあの思い出の地に帰ってみたいなあ。



 終わり(エッセイってこういうので合ってますか?)

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