主人公になりたくない!
1話打ち切りの人
第1話 頼むから放っておいてくれ!
全くもって運がない。
僕は決して有能でないし、人を纏めるような器でもない。
静かでひっそりとした異世界スローライフをしたかっただけなのに。
どうしてこうなった。
平凡な僕は都会とも田舎とも言えない街に生まれ、高校を卒業して就職した。
現場仕事で大変だったけど、地味で取り柄のない僕にとって暖かい職場はとても居心地が良かった。
僕の死因に関してはかなりグロいので放送禁止にならないためにも控えておく。
水の勢いって本当にすごいんだなあ。
そして、なぜか女神様が異世界転生のチャンスを与えてくれるという。
「次の人生であなたはもっと輝かしい思いをしてもいいのですよ?」
大きなお世話だ。
僕は静かに暮らせればいい。それならスローライフがしたい。
「じゃあ、どんな農作物でも育てられる能力はいかがですか?」
親父が柑橘の農家で手伝いが結構大変だったから農業はいいや。
「で、では伝説の剣も打てる鍛冶職人の能力は?」
僕は力無いし嬉しくないな。というか武器を作るのは気が引ける。
「じゃあ、なんだったらいいんですか?」
女神様は少し焦った感じで聞いてくる。
「いや、僕は転生ボーナスのスキルは要りません。平凡に過ごせたらそれでいいです」
そう僕が言った瞬間、女神様の顔つきが明るくなった。
嫌な予感がする。まずいことを言ってしまったのかもしれない。
「無欲な若者よ。素晴らしい!ならばこのスキルを授けましょう!」
そう言って僕は全知全能のスキルを手に入れた。
いやいや、やりすぎだろ。
金の斧、銀の斧じゃないんだから。
そして、気がつくと戦場にいた。
聞いてた?僕はスローライフがしたいんだけど。
主人公になりたくない! 1話打ち切りの人 @ako_1st
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