第15話 少女
走り行く先を決めてなかった末に見える景色は海だった。いつもの通学路を、ただただ走っていただけ。運動は好きではないが、たまにはいいと思えた。
毎日通る、いつもの通学路のはずなのに、今日はなんだか違うように見えた。走っているからだろうか、あんな夢を見たからだろうか、今日は、なんだか違う。
息苦しくなって、足を止めて休憩をしていると、浜辺に人影が見えた。まだ学校が始まる時間でもないし、店が開店する時間でもないのに、こんなところに人がいるのは不気味すぎる。
よく見ると、セーラー服を着た白髪の女の子だった。流石にこんな朝早くに学生がいるのは見たこともなければ聞いたことも無い。変な人もいるものだと、スマホを見るといつも起床する六時近くになっていた。そろそろ母も起きてきて心配するだろうと、引き返して帰る。
帰る横目でみた女の子は、目を閉じながら海を楽しんでいる。ように見えた。どこか笑っているような、心地よさそうな、そんな表情だった。
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海の五感 野花 智 @sat0r1
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