第14話 風の行くままに
私は飛び起きた。
あの夢は何だったのか、あの声は誰の声なのか、汗ばむ体にいつも通りの部屋。
頭の中は疑問でいっぱいだった。目覚まし時計を見てみると、いつもより一時間早い五時に起きていた。二度寝しようかとも考えたが、一時間しか寝れないのならと、せっかくなので気晴らしにランニングに行くことにした。
やけにシャキンとしている体を動かして、親を起こさないように支度をし始める。まずは静かに洗面所行き顔を洗って、歯磨きをして、リビングで市販のメロンパンをくわえながら、ギィギィなる階段に気を配りながら、二階の自室に行く。クローゼットの中にあるパーカーとスウェットパンツを履いて、レッグポーチをつける。その中に財布とスマホとタオルを入れて、またまた静かに階段を降りて、靴を履く。壁にかけてあるカギを手に取って、ドアを開ける。
小声でいってきますを言い、静かにドアを閉めた後、しっかりカギも締める。
どこまで行くかは決めていない。とりあえず、風の行くままに走り続ける。
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