操り人形

「教えるわけないだろ。お前を倒す為に用意したんだ」


 間を置いて、チャンシュワ・ウェザースが答えた。


「そうか」


 そう言うと、さらにLEXTRA888また縮んだ。すると、翼が生えてきた。LEXTRA888は、翼を羽ばたかせて飛んだ。


「チャンシュワ・ウェザース!あの隕石が地球にぶつかれば大損害だ。破壊する。手を貸せ」


 それを聞いたチャンシュワ・ウェザースは無言でLEXTRA888を見ていた。


「俺は、あの隕石と共に体内にある爆弾で自爆する」


「なぜだ?人類が滅んだ方がいいんじゃないのか?」


「俺は生物だ。俺の人生をクソにしたYSB901に抗って死ぬだけだ」


「……」


「信じないなら、構わない。そこで見てろ」


 チャン・ウェザースLEXTRA888は羽ばたいて空中に浮くと、すぐにチャンシュワ・ウェザースを超えて隕石に向かって行った。


 LEXTRA888の奇行に戸惑いを隠せなかったチャンシュワ・ウェザースは、しばらく腕組みをして眺めていた。


 数分が経っただろうか。チャン・シュワウェザースの元へ向かった。


(丸焦げになって戻って来た途端に何があった?)


 チャン・シュワウェザースはその疑問を胸にLEXTRA888へと全速力で飛び立った。


 一瞬にしてLEXTRA888に追いつくと、チャンシュワ・ウェザースは思いのままに話しかけた。


「なぜ人類の味方をする?」


「考えが変わった。いや、ずっと思ってた。俺は生物だ。操り人形のロボットじゃない。人間の操り人形のあんたを見てたら、鏡を見てるみたいでアホらしくなった。俺の人生をクソにしたクソアンドロイドに復讐したい。ただそれだけだ」


「………」


「チャンシュワ・ウェザース!俺が隕石に到着したらお得意のバリアを張れ。そしたらそれを合図に俺は自爆する。地球に被害が少ない方がいいだろ?」


「………」


「なんか言えよ!時間がないんだ!俺が変な事したら、また俺に攻撃すればいいだろ?また一から決闘の始まりだ。さあどうする?」


「…分かった。そうしよう、ただお前は遅い。その翼を借りる」


 そう言うと、チャン・シュワウェザースはLEXTRA888の片方の翼を掴むと、ものすごいスピードで上昇した。



 




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恋するサイボーグ 多岐出遊一(タキデユウイチ) @stumary

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