つまらない人生

 LEXTRA888は急いでチャンシュワウェザースの元に戻ると、チャンシュワウェザースは、LEXTRA888が戻ってくるのを分かってたかのように微動だにしていなかった。


 LEXTRA888は、助走を付けてチャンシュワウェザースに飛びかかった。と思いきや、チャンシュワ・ウェザースを通りすぎた。


 そして、LEXTRA888はそのまま走り続けた。走り続けて、そのままマッハに到達した。 

 

 マッハに到達したLEXTRA888は、マッハ10、マッハ20、マッハ30、マッハ50、マッハ100と速度を増していった。速度を増せば増すほど死期が近づいてきてるのかLEXTRA888は、走馬灯のように色々な思い出が蘇ってきた。YSB901にお説教された事、YSB901にお尻ペンペンされた事、YSB901に欲しい物を何も買ってくれなかった事、家出して帰って来たら一ヶ月間ご飯抜きされた事、YSB901に言い返したら二ヶ月間ご飯抜きされた事、「YSB901よりチャンシュワ・ネッガの方が優れた科学者だ」と言ったら、三ヶ月間ご飯抜きされた事、LEXTRA888の彼女をYSB901に紹介したらYSB901が彼女に罵声を浴びせてフラれた事が蘇ってきた。


 LEXTRA888は、YSB901にとにかく愛情をもらわずに育った。

 そして、そんなYSB901の為に命を捧げなくてはならない。


(なんてつまらない人生だ。いや憎い。母親であるはずのYSB901が憎い)


 そう思ったLEXTRA888は、最後にYSB901に抗って死ぬ事を決めた。せめて「つまらない人生」にしたYSB901を苦しめたかったのである。


 マッハ300に達していたLEXTRA888は、表面が丸焦げになり熱を帯びながら、チャンシュワウェザースの元に戻ってきた。


 LEXTRA888は、チャンシュワ・ウェザースの近くまで来て止まった。


「チャンシュワ・ウェザース!あの隕石はどうすれば破壊できる?」


 それを聞いたチャンシュワ・ウェザースは少し間を置いて答えた。





 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る