最終話 旅へ

男は砂浜をリヴァイアサンを引きずりながら更に進んでいった。

テントへと辿り着くと、ナイフや麻袋を取り出した。

まず、ナイフでリヴァイアサンの体を解体し始めた。

下顎が吹き飛んで無くなった頭を体から切り離した。下顎は無くなっていたが、依然として大きく、禍々しい雰囲気が漂っていた。

次にヒレを切り分けた。そして、腹を割り、内臓を取り出した。

段々と辺にひどい腐臭が立ち込めてきたため、男は急遽、マスクを木箱から取り出し、装着した。

匂いは感じなくなったため、集中して作業することができた。

何時間もの間、作業をし続け、ようやく解体し終えた。

いくつもの部位に切り分けられたリヴァイアサンが麻袋に収まった。

その頃には太陽はすでに沈みかかっていた。

男はテントに戻ると寝袋に潜り込み、眠りに落ちた。

翌朝、男は目覚めてからすぐに、テントや周辺の片付けをし始めた。

来たときとは違い、片付けはすぐに終わった。

男は少し寂しさを感じながらも荷物を持ち、数回、船と行き来した。

リヴァイアサンの体が入った麻袋を最後に積み終えると、男は船と岩を繋ぐ、もやい綱を放し、海へと進んでいった。

島の周辺に仕掛けたブイを回収すると、船の機関の出力を最大まで上げると島を背に、離れていった。

男は、竜殺しの旅へ再び戻るのであった。

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竜殺し 緋月慶也 @hizukikeiya

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