第6話 最後の猫を看取って…
独りになった『チョビさん』も年老いて、夏冬を過ごすことが辛そうだった。
正直、ここ2年は、いつ逝っても仕方ないと思うようになっていた。
『クロ猫姉さん』『クロさん』も、静かに息を引き取ったので、突然といった感が強かったが、『チョビさん』は徐々に元気がなくなっていく…気持ちの整理は付けられるものの、痩せていく姿を見るのは本当に辛かった。
病気でも事故でもなく、老衰というものは看取る側にしてみれば残酷な側面も持ち合わせていると思う。
どういう別れ方であっても悔いが無いなんてことは在りえない。
今は、まだ3匹が遊んでいた玩具や座布団を棄てれないままになっている。
今も、部屋のドアは開けっぱなしで、いつでも出入りできるようにしたまま。
感覚としては…死んだというより今はいないだけ…。
そんな感覚だから悲しみもないのかもしれない。
隣人の喪失 猫を看取って 桜雪 @sakurayuki
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