第13話サイクリング

夢子さんがいた。昨夜もテレビでやっていた 尾張旭市で有名なスーパーではなく、サイクルショップでもなくそうしたものとは全く関係がない 100円ショップに夢子さんは いた。

僕はそろそろ忘れかけていた 夢子さんの顔をはっきりと 思い出した。丸1年も会えなかったけれど 夢子さんはやっぱり可愛かった。僕は 夢子さんに対して 抱いていた悪い考えや おかしな 噂 を全て忘れてしまった。夢子さんは全く夢子さんだった。1年前に初めて会った時のまま夢子さんはいてくれた。愛らしく笑いながら 夢子さんは何もなかったかのように話かけてくれた。

「お久しぶりです。もう体の方はいいんですか?」

「はい。全然大丈夫です。」

「よかった。私 長谷川さんには申し訳ないことしたなと思って…」

「夢子さんは何にも悪くないですよ。僕が誤解を招くようなことしたのがいけないんだ。」

「そんなことありません。私がよく考えもせずにしたことがいけないんです。」

「僕の方です 僕がちゃんと誤解のないようにしたかったのがいけないんだ。僕は 夢子さんが提案してくれた通りでよかったんです。きちんと直せば あれぐらいかかって当然です。」

「よろしいんですか あの 提案通りで。」

「全く問題ありません。以前に提案してくれた通り リフォームしてください。」

「分かりました 早速やり直します。」

夢子さんは全く以前のままだった。仕事熱心で決断が早いのも気持ちよかった。僕はやっぱりこの人だと思った。

「夢子さん 、やっと暖かくなってきたんでサイクリングにでも行きませんか?」

「いいですねぇ。」

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直美の柔らかな部分 瀬戸はや @hase-yasu

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