〖好きになりたくない〗
「死にたい」
私の口癖だった。愛もお金も何も絡んでいないただ欲を吐き出す行為をした後の口癖。私は私の死を望んでいる。私という人間には価値がない。生きている意味を感じられない。叶うことなら誰か私を殺して欲しい。そう思って生きている。
「なんでそんな事言うの?俺は大好きだよ?」
耳に余韻を残すような吐息混じりの声が聞こえた。返事をする気は無い。こいつは知らない。私がこいつの一言で一喜一憂してしまう程の感情などまったく。
「無視するの?でも可愛い。」
こいつは…浩太はこういう人間だった。私の心を掻き乱すのに自分の心のうちは話さない人なのに、人の心に入ろうとする。私は土足で心を掻き乱されて自分だけが苦しくなるのが嫌だった。
「私はお前を好きじゃない。」
拒絶の言葉を吐いてもきっと浩太は気にしていない。私の感情など彼にとってはゴミ箱のティッシュと同じようなものだから。
「俺の彼女は厳しいなぁ。」
彼女とも思ってないやつがよくもそんなことを…。
「花と泥水」 @akina_029111
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