僕のおばあちゃんがバンド組んだらしい

第1話 孫との約束

2023年2月24日

僕は旅立ちの季節に死にます。

自分が全て嫌になりました。

おばあちゃん迷惑ばかりかけてごめんなさい。

啓太

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3月26日

買い物から帰ってくると、啓太が首を吊って息を引き取っていた。

歳を重ねると人との別れも増えるけど、それでも胸が張り裂けるくらい悔しく、悲しかった。

私は孫の啓太と2人で暮らしていた。

6年前啓太の親は、交通事故で亡くなり私が啓太を引き取った。

夫を早くに亡くした、私にとって啓太は唯一の家族でかけがえのない存在だった。

なのに、私は啓太がいじめられてることに気づかなかった。

中学3年生にもうちょっとでなったのに。最近は言う事を聞いてくれなかったり、暴言を吐かれたりしたけど、それでもかわいい孫だった。

何が何だか分からず、私は1人で春を迎えた。

4月8日

誰もいない静かな家で、やっと遺品の整理を始めた。隣に住んでる、47歳の大ちゃんにも手伝ってもらって、今まで手付かずだった大量の遺品をやっと片づける決心が着いたのだ。

すると、小学校の卒業アルバムが出てきた。

懐かしんで見ていると、将来の夢を書く欄があった。そこには「バンドを組んで、自分みたいな弱い人を助けたい」と書いていた。

啓太の相変わらずの優しさに心が打たれた。

私は卒業アルバムを見て決心した。

啓太が叶えることが出来なかった夢を私が叶える。

それがきっとあの子が1番安心して、天国へいけると思うから。