第25話「ハッピーホリデー」
クリスマスイブ。宇津見家にユウを呼び、クリスマスパーティーをした。
ちなみに、緑は仕事である。
「メリクリ~!」
「メリクリ」
撫子はアップルジュースで、ユウはワインで乾杯した。
そして、ふたりでローストチキンやオードブルを食べる。
「ユウちゃん、年末って予定ある?」
「家にいたくねぇから、仕事だな」
「そっかぁ。お疲れ様だね」
「ああ、ありがとな」
緑は、一月一日から仕事なので、ユウと過ごしたいと伝える撫子。
「ん。いいぜ」
「やったー! 祖母がくれた餅があるから、食べよう!」
「アタシに揚げさせたり煮させたりする気だろ、お前」
「よろしくお願いしまーす!」
「仕方ないな…………」
撫子の大晦日の予定は、緑と好きなゲームの特番を見ることくらいしかないし、年始も特にやることはない。配信業は、三が日は休むつもりでいる。
「そういえば、今月に入ってからUTAU始めたんだよね」
「うたう?」
「歌声合成ソフト」
「ボカロみたいなもん?」
「そうそう。それで、音源制作してるんだけど、今は依頼して原音設定っていうのをやってもらってるところだから、やることないんだよねぇ」
「今年、色々始め過ぎだろ」
「それ~」と、ドール・お香・万年筆・UTAUをやるオタクになっている撫子は笑った。
「何を始めるのも遅くないって、アイドルマスターSideMに教わったからね」
「それは、そうだな」
「ねー。そういえば、今年見た映画をまとめてたんだけど、70本しか見てなくて、びっくりした」
「多いだろ」
「オタクにしては少ないんじゃない?」
撫子のTLのオタクたちは、映画をたくさん見る者ばかりだから、余計にそう思う。
「まあ、舞台作品を入れたら、もう少し増えるんだけど。TRUMPシリーズとかぺごステとか色々見たし」
撫子の話を聞きながら、ユウは小さめのホールケーキを二等分にしていた。
「ほらよ」
「ありがとう!」
ふたりで、生クリームたっぷりのケーキを味わう。
「そういえばね」と、二度目のそういえばを言う撫子。
「最近、私は、双子が好きなのかもって思った。まず、仮面ライダーガヴの双子でしょ。シェアード・ユニバースの夢主が双子でしょ。一次創作夢の双子でしょ。推しVの夢主も双子。さよならを教えての人見広介双子IFも書いたし。あれ? そもそも、げみにずむをやったのも今年? 今年の二月だわ」
「双子ねぇ……」
撫子と緑も双子っぽいよな。と、ユウは思った。実際は姉弟なのだが、ふたりの底意地の悪さは、そっくり過ぎる。
「来年は、どんな年になるかなぁ」
「楽しいといいよな」
「うん」
撫子には、すでに、オンライン同人イベントにサークル参加する予定や二次創作アンソロジーに寄稿する予定があった。
あとは、ユウや緑と遊べたら、それでいい。
姉のクズ 霧江サネヒサ @kirie_s
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