あとがき

 人生で初めて自分で不動産屋さんに連絡を取って部屋を探した時、色々なことがありました。


 風呂トイレ別、二階以上等のざっくりとした希望を伝えて物件の資料をもらった後、家賃や間取りなどで気になったものを数件ピックアップして内見の日程を決定。


 そして内見の当日。担当の人と合流して車に乗ると、担当の人が「お伝えしたいことが一つございまして…」と重々しく口を開きました。

 何事かと思ったら、内見候補物件のうちの一つを管理している管理会社に事前に連絡を取った際に著しく態度が悪く、ネットで調べたその会社の評判も最悪だったとのこと。「退去時に絶対にトラブルになるのでやめておきましょう!」と力強く言われました。そんなことあるんかと笑っていたら、「ここまでのレベルはそうそうない」とまで言われました。

 

 内見に行く前から候補が一件潰れ、ようやく最初の物件へ。

 資料で見た時には気づけなかったのですが、踏切が近くにあり、内見で訪れた短い間にも何度も踏切が鳴りました。「ここでずっと生活するのか、しかし家賃は候補内で最安値だし…」とお金に釣られてすっぱりと切れずにいましたが、ここで担当の人が少し言いにくそうに「ここは少々景観の方が…」と言いながらベランダを開けました。目の前にあったのは、恋人たちが集まる城。直接は言葉にしていないものの、担当の人が「ここはやめておけ」というオーラを力強く発していたので、安い家賃を潔く諦めることができました。


 あまりにも惨敗続きだった私を見兼ねてか、担当の人が候補の資料を見ながら「ここはどうして選んだんですか?」と物件選びの条件を聞いて、タブレットで新たに候補を探してくれました。結論から言うと、この時に見つけてくれた物件が私にとっては大当たりでした。良くない物件は良くないと言ってくれて、さらに私の希望に合った物件を見つけてくれたこの時の担当の人には凄く感謝しています。


 資料だけで決めたら大変なことになっていたでしょうし、良い物件に出会えることもなかったでしょう。これから家を探す予定がある方は、可能な限り内見には行った方が良いと思います。

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デスゲーム物件の選び方 ナトリウム @oganesson0409

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