マジカル♡ミラクル❄魔女っ子☆ゆきちゃん20241
魔女っ子★ゆきちゃん
使い勝手の悪い量子重力魔法(宇宙最強)だけれど、たまには役に立つこともある☆
私には三分以内にやらなければならないことがあった。
視線の先には、たった今お湯を入れたばかりのゴールドちゃんヌードルがある。
「じゃあ、言ってくるね。お兄ちゃん」
言うが早いか、私は時空移動を開始した。
「あっ! ヤカンは……」
お兄ちゃんが何かを言い掛けていたけれど、私にはよく聞こえなかった。
1 ベッドの上でポテチ食うなよな!
私がベッドの上に寝転んでくつろいでいると、玄関のドアが開いてお兄ちゃんが帰ってきた。
「おかえり、お兄ちゃん♪」
「辰子! おま……。勝手に来るのは良いけど、ベッドの上でポテチ食うなよな!」
「ぶぅーっ! 何さ、可愛い妹が来てあげたっていうのに、その言いぐさはないんじゃない?」
2 ゴールドちゃんヌードル。そして惨劇
「いや、別に頼んでないし」
そう言いながら、兄は買ってきた買い物袋からカップラーメンを取り出した。そのまま速やかにヤカンに水を入れ、火にかける。
「私も食べるーっ!」
ベッドから起き上がると、お兄ちゃんの方へ向かう。
「お前、ポテチ食べたんじゃねーの?」
「カップラーメンは別腹って言うじゃん! 何がある?」
テレビをつけて、椅子に腰掛ける。
「ヌッシンのカッパヌードルだろ? で、エースピッグのハイパーカップ、
「ゴールドちゃんヌードルにする」
被せるように言うと、視線をテレビの方へと向けた。
と!
そこには、目を背けたくなるような惨劇が映し出されていた。
全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが小学校を襲い、多くの児童や教職員が死傷……★
「あっ! お湯沸いたから、頼む! 俺、今手が離せねー」
「うん……」
生返事を返しつつ、のろのろ立ち上がる。視線はテレビに釘付けのまま。
ただヤカンは熱湯が入ってて危険だから、ヤカンの方を向くと、素早く動いてヤカンを手にテーブルの方へと戻り、お湯を入れた。
3 私には三分以内にやらなければならないことがあった。
お湯を入れ終わるとほぼ同時に、着替えてきたお兄ちゃんが席に着いた。
私はヤカンを手に、立ったままでお兄ちゃんとゴールドちゃんヌードルを見比べつつ、お兄ちゃんに告げる。
「私、三分以内にやらなきゃいけないことがあった、つかできた。じゃあ、言ってくるね。お兄ちゃん」
言うが早いか、私は時空移動を開始した。
「あっ! ヤカンは……」
お兄ちゃんが何かを言い掛けていたけれど、私にはよく聞こえなかった。
4 マジカル♡ミラクル❄魔女っ子☆ゆきちゃんに
自己紹介が遅れちゃったけれど、時空を移動しつつ、ついでに魔女っ子に変身しつつ、ちゃちゃっとやっちゃうね。
私は
まだ駆け出しのひよっこ魔女っ子ながら、公益社団法人日本魔女連盟では、最強の認定を受けています☆
それというのも、あっ、着いた。
5 全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ
着いた先は、先程テレビで見た、被害にあった小学校の校庭。時間軸的には、被害に遭う直前といったところだね。
あっ、見えてきた。
全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが!
6 最強無敵の量子重力魔法は、やたらめったら使い勝手が悪い
私の量子重力魔法は、最強無敵ではあるけれども、やたらめったら使い勝手が悪い。まあ、それは絶望的に★
まあ、威力から紹介しようかな。
威力で言えば、ガンマ線バーストとか
どう低く見積もっても、太陽系がちりになるレベル。使えねー★
他には、真空崩壊を引き起こす呪文なんてのも、サクッと使えちゃいます♡ 使えねーけどさ★
真空崩壊ってわかる? 私はよくわかってないんだけれど、やや、正確性には欠けるかもだけれど、ざっくり説明しちゃうと、宇宙の物理法則を変更して、今存在する宇宙を消しさって、新しい宇宙で上書きする、といったところかな?
詳しく知りたい方は、『真空崩壊』で検索してみて?(丸投げ)
さあ、強力なのはわかってもらえたと思うけれど、問題は"今の状況に対して適切な効果を発揮出来るか"だよね?
実は、ただいま現在、物凄いスピードで適切な呪文を脳内検索中です。
私が今現在使える量子重力魔法は、およそ26
1垓は1京の1万倍。あるいは、1兆の1億倍と言った方がわかりやすい?
私の脳内検索能力は1秒間に1億の呪文を検索出来るんだけれど、その能力をフル稼働しても、1垓個の呪文総ても検索するには3万年以上掛かる。26垓だと……暇な人は計算してみて★
何故そんな膨大な呪文の数があるのか?
一つひとつの呪文の効力が、あまりにも限定的なんだよね。
つまりは、こういうこと。
ある呪文は、"直径32ミリメートルの小石を自分の方へ100ミリメートルだけ動かす"というもの。
これ、直径が31ミリメートルとか、33ミリメートルだと、まるで効力がないの。
そう、一つひとつの呪文の効力が限定的過ぎるんだよね〜★
私の脳内検索呪文についても、もう少し触れておくね。
私の脳内検索能力は1秒間に1億の呪文を検索出来ると説明したけれど、一つひとつ検索してたら、全部検索するのに80万年掛かっちゃう★
喩えるなら、世界中の図書館のどこか一つにある本を、しらみつぶしに探そうとしたら、見つける前に寿命が来てしまう恐れ大!
だから、"この辺にありそう"という風に辺りをつけて探すんだけれど、それでもほとんどヒットしないのね。
あ~、喉乾いた。
7 ミルクティー頂きます☕
と思ったら右手にヤカンが!
これは魔法……ではなくて、カップラーメンに、お湯入れたヤツをそのまま持ってきちゃったみたい。てへぺろ♪
ちょうどいいから、ミルクティーを入れちゃいますね。
ちらりとバッファローの群れを見ると、かなり迫ってきてるご様子。
これは急がないと。
と思いつつ、のんびりミルクティーを用意する私。
まず、左手人差し指の先にティーカップが出現。一瞬
自然と封が切れ(自然ではなく魔法のチカラですが)、ティーカップにサラサラと。
後は、右手のヤカンでお湯を注ぎます。これは
では、頂きます……と思ったけれど、ちょっと熱いな。私、猫舌なんだよね。
そこで。
左手人差し指の指差した先に今度は冷蔵庫が登場。とはいえ、全部出す必要はないので、上半分くらいだけのご登場です。冷凍庫が開き中から氷が一つ二つ飛び出してきてティーカップにドボンッ!
跳ねた雫は、ティーカップの周りを3周程して、ティーカップの中におかえりなさいした。
一方、冷蔵庫の方も、空間に飲み込まれるように、徐々に姿を消していき、元の世界へとおかえりなさいとあいなった。
ん〜、やっぱ、頭使ったから、ミルクティーが良いね。五臓六腑に染み渡ル〜ン♪
8 ぴったりの魔法、見つかりました〜☆
ごめん。これ以上、説明してる暇ないや。のんびりし過ぎちゃった?
もはやバッファローの群れは、数秒のうちに私にリアルハリケーンミキサーを食らわせられる程に近付いて来てた。
でもね。ぴったりの魔法、見つかりました〜☆
ヤカンでは、様にならないから、横の空中に置いて、と。
マジカル☆ステッキ
「にゃにゃにゃ、にゃにゃにゃにゃ、にゃにゃにゃにゃにゃ〜ん☆」
マジカル☆ステッキを振りかざす。
ヤカン、ブレルディのカラと一緒に
しゃら〜ん☆彡
9 もっふもふにしてあげましたにゃ〜♪
時間ぴったりに戻ってきた。
既に天城辰子の姿にも戻っている。
お兄ちゃんと向かい合ってラーメンを食べているけれど、視線の先はテレビ。
画面が映すのは……。
小学校の校庭に突如現れた生後間もない子猫の群れを保護したというニュース。里親も募集するみたいね。
使い勝手が絶望的に悪い量子重力魔法だけれど、今回みたいにぴったりハマった時は、最高に気分が良い♡
えっ? どんな魔法かって?
それはね♪
『全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れを生後間もない子猫達にメタモルフォーゼする呪文』でした〜♪
おしまい
マジカル♡ミラクル❄魔女っ子☆ゆきちゃん20241 魔女っ子★ゆきちゃん @majokkoyukichan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます