第3話 手紙
良く分からないな。
思春期というやつが、だ。
俺は思いながらスマホをポチポチ弄りながら雄一郎と会話する。
雄一郎はあの後、お墓参りに行ったそうだ。
その事に俺は(そうなんだな)と返事を書いた。
(早大。義妹ちゃんは大丈夫?)
(何がだ?動揺していたやつか?あれはもう何か触れてほしくなさそうだぞ)
(うーん。僕も女の子だったら分かるんだけどね)
(まあしゃーない。こればっかりは。アイツは元は赤の他人だったのだからな。俺の妹じゃ無かった)
(まあうーん。...確かにね)
そう書いてくる雄一郎に俺は(それよりさ。テスト有るじゃん?また教えてくれるか)と書いてみる。
すると雄一郎は(また?もー。勉強してよ)と書いてくる。
勉強はしているけど分からんものは分からないしな。
思いながら俺は頭を下げている様なウサギキャラのスタンプを送る。
(分かった。じゃあ今度の土曜日に近所の図書館で)
(ああ。すまないな。俺自身がアホだから)
(それはアホって言わない。単なる勉強不足)
(バッサリだなお前)
(それはそうでしょ。全く)
言いながら雄一郎は(全く)と書いてくる。
俺は苦笑しながら(すまんな)と書いた。
雄一郎はそれから(じゃあお風呂入って来るね)と書いてから(おやすみ~)と書いてくる。
俺はその言葉にまたスタンプを送ってから終了し...
「楽しそうね」
「うわ!?ビックリした!」
「...呼び掛けても答えないから」
「...そうだな。お前な。人が集中している時にいきなり冷たい手を首筋に添えるな」
「知ったこっちゃ無い」
ひっでぇな。
思いながら「何の用だ」と聞いてみる。
すると義妹は「洗濯したいからそろそろお風呂入って」と言ってくる。
俺は「はいはい」と言葉を発しながら風呂に入る準備をする。
「...雪道」
「...なに」
「...いつも有難うな。洗濯」
「...?!」
何でそんなにビックリしている。
いつも感謝の言葉は言っていたが無視されていたぞ。
今日に限って何でそんな動揺する?
俺は訳も分からないままそのままお風呂に入った。
☆
いきなりビックリする様な事を言うから。
というか今日に限って何でこんなに動揺するのか。
私自身も分からない。
正直...ウザいけどウザくない。
何だ?
早大がお風呂に入ってから私は洗濯をする。
それから私はそのまま食事の準備を始めてみる。
家事とかは基本的な事は知っている。
だけど大体は代わり代わりでやっている。
早大とは手分けしてやっている感じだ。
それには理由がある。
早大が「一人暮らしの練習をしたい」と言っていた事もあったからそうなっている。
大学に進学するのが夢らしい。
「今日のメニューは...焼きそばでも作るか」
そんな事を呟きながら私はキャベツを切ったりお肉を準備したりする。
冷凍餃子も温めるか。
私達は育ち盛りだからそういう感じで色々食べたりする。
今日はお母さんと信弘さんは遅いだろうし。
そう考えながら私は冷凍庫を開けた。
「...餃子...無い」
私は冷凍庫の周りを見渡すが餃子が無かった。
何というか無いのは無いで良いと思うけど折角餃子と目星をつけたのなら餃子が食べたい気がする。
私は頷いて納得した。
そして早大に書置きをして業務用スーパーで買い物する事にした。
☆
そのまま家を出てから業務用スーパーにやって来た。
私はパーカーのフードを外しながら周りを見渡す。
そして冷凍品のコーナーで餃子を見つけた。
それから購入しようとした時。
「あの」
と声がした。
私は「?」を浮かべて顔を上げる。
そこに女子高生らしき女子が制服を着て居た。
ゆるふわウェーブの黒の髪の毛。
そしてかなり可愛い美少女...というか。
泣き黒子に笑みを浮かべている感じの小顔。
家頭さん?
私は「家頭さん。どうしたの?」と答えると家頭さんは「ありがとう。雪道さん。実はお願いがあって。偶然見掛けたから」と言って私を見てくる。
その言葉に私は「?」を浮かべた。
「実はその。早大先輩に渡してほしいものがあって」
「...え?」
「手紙。これ渡し損ねたので渡してほしいんです」
「え、え」
そう言いながら私は動揺する。
「お願いします。私は渡しきれなかったので」と念を押してくる。
私はその様子に断り切れずそのまま受け取ってしまった。
それから家頭さんは「有難う御座います」と言いながら笑顔で去って行った。
私が中身を見てしまう可能性もあるのに能天気な人だな。
考えながら私は手紙を見る。
というかおに...じゃない。
早大に手紙?
何で?
頑丈に封されているけど何だろうか。
美少女に見えるが男子である人物と一緒に帰っていてNTR...では無いのだがNTRと言われた アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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