第2話 NTR...?

「...」

「...?」


俺は雄一郎に相談に乗ってもらう為に雄一郎に来てもらったのだが。

その雄一郎を見ながら酷く義妹が動揺している。

あくまで表情を全く変えないあの義妹が、だ。

俺は「?」を浮かべながらその姿を見る。


「...その。...その人は...」

「ああ。俺の親友だ」

「...そう」

「初めましてだね。雪道ちゃん。僕は大滝雄一郎だよ。宜しく」

「...その。えっと。宜しくです」


こんなに喋っている雪道は見たことが無い。

それに酷く動揺している様に見える。

何故こんなに動揺しまくっているのかが分からないが。

そう思いながら俺は紅茶を飲む。


「...そ、その。雄一郎さん」

「?...うん」

「おに...じゃない。...そこの人と付き合っているんですか」

「...いやそこの人っておま...うん?」


俺は「?」を浮かべる。

コイツと付き合っているってそれは違うんだが?

思いながら俺は雄一郎を見てから義妹を見る。

それは誤解なんだが?


「おい。その。雪道?お前何か勘違いしてないか?雄一郎は...」

「し、知ってる。...こ、これはNTR...」

「は?」

「NTRだよ」


何を言っとるんだコイツは?

そう思いながら俺は雪道を見る。

雪道は唇を噛みながらフルフルと震えていた。

な、何がマズいような?

俺は慌てる。

すると。


「ゆ、雪道ちゃん?僕は男だから」

「え?」


雪道にそう語りかける様に雄一郎が話す。

それから苦笑いを浮かべる雄一郎。

そして「僕は男性だよ。ゴメン。君のお兄さんをとった様に見えたんだよね?」と言う。

すると雪道はホッとした様な態度を見せ。

それから急速に赤くなった。


「じゃ、じゃあ私は」

「全てお前の思い違いだぞ。どうしたんだ一体」

「...う、煩い」

「訳が分からん...」


無実の罪でNTRと誤解されたしな。

俺は盛大に溜息を吐きながら雪道を見る。

雪道は赤い顔のまま紅茶を飲んだりしながら「男の子って思いませんでした」と呟く。

俺と雄一郎は顔を見合わせる。

それから「まあそうだな」と返事をした。


「だけどこの世には彼みたいな人も存在するって事だよ」

「そう」

「是非これから宜しくね。雪道さん」

「はい。分かりました」


それから何とか誤解が解けた俺は雄一郎と一緒に雪道の父親に挨拶をしてから手を合わせ。

そして雄一郎は挨拶をして帰って行った。

でこの後どうなったかというと。

特に何も起こらなかったが。

彼女。

つまり雪道の様子が少しだけおかしかった。



私は...彼。

早大の妹として早大を見ている。

別に彼を好いているとかそんなのは無い。

あくまで誤解である。

私はウザく思いながら早大を見ている。


こんな私に一生懸命にコミュニケーションを取ろうとしている早大を。

何故私にそんなに接してくるのか当初は分からなかった。

正直、ウザい。

だが悪い気はしなかった。


「ねえ」

「!?!?!」


私が早大に話しかけると(あり得ない)という様な顔をされた。

それを少しだけウザく感じながらも早大の前に用事があるので座る。

それから早大は私を驚愕の眼差しで見ながら「何だ?」と言う。


「昼間のあれ。私の本心じゃ無いから」

「昼間のあれ?ああ。お前が動揺していたやつか?」

「そうだけど動揺じゃないから」

「いやしかしどう見ても動揺としか見れないんだが。何に動揺していた」

「わ、私は動揺してないから。だから勘違いしないでよね。偉そうにしないで」


そんな忠告に私を見てくる早大。

それから肩をすくめた。

「言いふらしたりしないし大丈夫だから。お前のその件はな」と言ってくる。

私はその姿に「そうじゃ無い」とムスッとする。

そして指差した。


「誤解しないでって言ってるの!」

「誤解とは?」

「だ、だから。...まあもういい!とにかく偉そうにマウント取らないでよね」


そう言いながら私は怒る。 

突然キレた私だがそれでも早大は柔和に反応した。

それから私を苦笑しながら見る。


「よく分からないがお前が言うなら絶対に言いふらさないしな。お前が嫌がる事はしたくない」

「...!」

「だから大丈夫だぞ」


私はその言葉に感情不安の様に動揺する。

それから歯を食いしばってから「風呂。お風呂入る!」と怒ってからお風呂に入った。

どうしたら良いのだ。

このモヤモヤは。

何で怒っているんだ私?

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