悪の人
馬場 芥
蟻
座るのも
だらしなく開かれた股を持ち上げ、振り下ろす。少しの葛藤も罪悪感もありはしなかった。そこに蟻がいるから、ことに及ぶには十分な動機であった。
しばらく足元を凝視していると、靴裏の溝から蟻が
あの夏、
目を閉じると目尻には涙が浮かんだ。
悪の人 馬場 芥 @akuta2211
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