テアトロンの色彩

@mochitime

第1話高校入学

俺の名前は本間祐希

今日から青春を謳歌する花の高校生というわけなんだが、俺は叫んでいた

「あいつらマジで何やってんねん!」

というのも、

「一緒に合格しようぜ〜」

「俺A判定だわw」

等と言っていた友人達が、ことごとく受験という戦いにおいて脱落していったのだ。

自分で言うのも何だが、ある程度コミュ力があるという謎の自信のお陰で友達ができるのか不安だということはない。

理系に進んで物理選択をするというのも変える気がないため友人の影響はない。

だが、1つだけ問題がある!

それは部活決めである!

部活決めというのは青春に最も密接だと言ってもいい最重要事項なのだ。

そして、間抜けな俺は部活決めは他の奴らについていけばいいやと考えていた。

そこでなんだが、俺は今からあの超勧誘モードの戦場へと足を踏み入れようと思う。

しかしながら、人が凄く集まっているところがある。

その中心にいるのは、めっちゃ顔の整った新入生だった。

見たところ、この美貌をなんとか活かそうとする部活とか、連絡先を聞きたいだけの奴の集いだった。

まあそういうモテモテなやつのことは知らんが、俺を誘うと良いとソワソワしながら歩いていたら。

………

誰も誘ってくれないッ

「何故だ!おかしい!誘えよ!」

地面に拳を叩きつけながら嘆く

その瞬間視線を浴びていることに気がつく。

先程まで美少女を見る目をしていた者たちは、揃いも揃ってというかその美少女も好奇の目を向けてきている。

恥ずかしくなった俺は顔が熱くなるのを感じながらその場から逃げようとする。

が、そこで腕を掴まれる

「君、面白いねぇ。演劇部っ、来ない?」

そうして時間は経ち放課後となった

先生いわく、この時間に仮入部をするらしい。

友人づくりに関しては、朝のを見られていたという事もあり話しかけてくれる人が多かったので問題はなかった。

部活に誘ってくれたやつもいたが、誘ってくれたというのと、なんとなく演劇部が面白そうという曖昧な理由で演劇部に入部することにした。

演劇部の場所が書かれた紙を見て空き教室へと向かう。

一度深呼吸をして、教室へ入る。

そこには、朝声を掛けてくれた先輩の他にも何人かの人がいた。

少し驚いたのはあの美少女新入生もいたからだ。

「朝変なことしてた子だ。」

顔が熱くなる

「あれ~。顔赤くなってる、可愛い〜」

顔が火傷する!

そんな、先輩たちを差し置いて、先導するかのごとく朝声掛け先輩が先に自己紹介を始める。

「私の名前は石倉蓮月!はーちゃんって呼んでね!一応部長やってて役者経験者ですっ!好きなお寿司のメニューは、卵で〜す❤︎‪︎」

なるほど。葉月先輩ことはーちゃんと言うらしい。ぶりっ子なのだろうか?

「僕の名前は谷崎誠也。副部長で役者と音照経験者です。寿司は鉄火巻きが好きです。」

完全に好きな寿司を言う流れになったな

「誠也くんもっと元気だして!」

誠也先輩か。なんだか端的で読めない人である。ただ食の好みは気が合いそうだ。

「最後の先輩枠の清水未来で〜す。役者と音照、演出経験者で〜す。お寿司はハンバーグ寿司が好きで〜す。」

未来先輩。なんというか不思議ちゃんという雰囲気を纏ってる気がするな。

そこで、はーちゃん先輩が思い出したかのように解説を始める。

「役職の説明忘れちゃってた。役者はみんな知っての通り役を演じる人だねっ。

音響は音をタイミングよく流したりする人のこと。

照明は状況に応じて光を調整する人だよ〜。

最後に、演出っていうのが舞台の全体を取りまとめて指示を出す人だね!」

「脚本とか大道具とかはみんなで手分けしてっていう感じかな。」

誠也先輩が付け加える。

「それじゃあ一年生にも自己紹介してもらおうかな〜。それじゃあ左の可愛い子からおねが〜い。」

未来先輩は不思議ちゃんだが纏める力もあるという感じなのだろうか。

「名前は鷹塚美鈴と申します。役者志望です。お寿司は……サイドメニューの味噌汁でしょうか。」

鷹塚美鈴。なんかお嬢様っぽい名前と口調だな。それ故か、少しずれている気がする。

っと自分の番だということを忘れていた。

「俺の名前は本間祐希です!役職は全部やりたいです。好きな寿司は中トロです。」

そんなこんなで自己紹介も終わりその日はみんなでオタトークに花を咲かせた。そして気づいたことがある。

「本間君、朝のやつやばかったねw」

美鈴という美少女は普通にオタトークもするしお嬢様なんていう絡みづらそうな印象もなかった。

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