第三章〜作戦会議もといパルシント強奪編〜 第五話 準備はできた
無事魔剣士になり、国を奪取すべく脳内で作戦会議を始めた。
この世界では5つの国で成っている。
1つ、パルシント王国。
2つ、ドライシルス王国。
3つ、レカルラム王国。
4つ、ミスティニア王国。
そして5つ、この中でも一番大きな国が、ロメドナーフ王国。
今いるパルシントは南側。2番目に大きく、その北西方向にドライシルス、北東にはレカルラム。内陸にミスティニアで、北側を覆うようにロメドナーフがある。この世界を制覇したいから、作戦はまず左右にあるドライシルスとレイルカムを占領する。2つとも小さめの国なので大丈夫だろう。
そして3つの国は軍事力で固めて東側から数人で乗り込み宣戦布告。戦場をミスティニアにして戦争を始める。ミスティニアはロメドナーフにつくと思う。
だから戦争を第一陣、第二陣、第三陣、防御兵に分けて、第一陣はドライシルス方面から、第二陣はレカルラム方面から。第三陣はミスティニアで戦い、防御兵でパルシントを守る作戦だ。まぁこの作戦はあくまで効率よく天下を取るための方法に過ぎない。
そんなことを考えていると城に着いた、やはりでかいな。
裏側から回るのもいいが、めんどくさいし、門番たちを人形にしたいので正面からの強行突破にすることにした。
「なんのようだ?」門を守る三人の門番のうち真ん中の男が聞いてきた。
「いえいえ、怪しいものではございませんよ。ただ、王の魂をいただくだけですから。」
「えっ」門番が槍を構える。
「通してくれないのか?」
「お前のような怪しいものを通すわけにはいかない!さっさと立ち去れ!」
「怪しいものじゃないって言ったはずなんだけどなぁ」
しょうがないか。よし、殺そう。
掌を相手に向ける。
「ブラッディー・ビルド!」
パンッ!
真ん中の門番の頭を血の弾丸が貫く。
ブラッディー・ビルドで掌の血で弾丸を作り、魔力を込めて飛ばす。思ったよりも上手くいったな。
いつもは次元式収納の中の人形たちの血を取り出して操ってるが、コレに関しては自分の血でやっている。
さらにパンパンともう二発撃ち、両側の門番も亡き者にした。
血を流して倒れている門番の血を操り、傷口を塞ぐ。これで人形の完成だ。
人形たちを次元式収納の中に入れて,自分の掌の穴も血で塞ぐ。
さて、この大きな門をどうやって開けようか、、、と考えているところで突如、胸騒ぎがした。
[おお。懐かしい気配だ]
と、頭の中から聞こえた。
「!?」自分は驚きを隠せなかった。
[そんなに驚くな、俺はただお前の頭の中で会話をしているだけだ。]
[それにおどろいているんだよ!]声には出さずに脳内で反論する。
なんなんだよコイツ、、、と、心の奥で呆れつつ、ちょうどいいタイミングでの登場なので質問することにした。
[この門をどうやって開ければいい?]
[そうだな、、、破壊して強行突破はどうだ?]
[あまり目立ちたくは無いな。]
[ふむ、、、ならば。]
[どうした?]
[興味深いものがあってな。ソウルホルダーの中の魂に悪魔が宿ったものがあった、そこには大抵、『バッドウィンガー』があるんだ、、、これだ。]
邪王がそういうと、自分の胸の辺りからオレンジ色の球が出てきた。
「魂を導け」、、、本当だ。バッドウィンガーを選択して魂を鎮める。
[バッドウィンガーは、その名の通り悪魔の羽。羽自体は飾りでしかないが、スキルを使用すると、自らの体が浮けるようになる。]
なるほどな。浮けるのは便利だな。
[ありがとう!]
「バッドウィンガー!」
背中の肩甲骨の辺りからシュバっとコウモリのような羽が出てきた。どうやら服の上から生えるらしい。
羽を広げてみた。まぁ飾りだからか意外と小さいな、でも自分を包めるぐらいはあるか。
ヒョイっとジャンプしてみると、ふわぁっと自分の体が宙に浮いた。
操作するのは簡単だった。門を軽く飛び越し、空に羽ばたいた。上から見てみると大きな城だなぁ。寛大な城を眺めつつ本丸を目指す王の部屋の前にオウノサンキョウたちがいる。王の部屋には窓はあるが、魔法によって外の景色を見ているだけなので実質窓はない。
壁を破壊するか? それとも正攻法? いずれにしろ今のままでは何もできないままだ。そうだな、他にも技やスキルが欲しい。深淵魔法が欲しいところだが開放条件はわかっていない。
[なぁ邪王さん。]ここは聞くのが一番だ。
[なんだ?]
[深淵魔法ってどうやって覚えるの?]
[ふむ…たしか、スキル、マーダラーで戊。パーフェクト アサシンで丁。影の暗躍者で丙。ソウルコレクターが乙。そして、深淵なる神の頂で甲。だ。]
[それぞれの条件は?]
[ええと、マーダラーは百人以上の魂を吸収すること、パーフェクトアサシンは500人以上殺すこと、影の暗躍者は国の王を乗っ取ること、ソウルコレクターは10000人以上の魂を吸収すること、深淵なる神の頂は戊丁丙乙の四つの深淵魔法だけで神龍に勝つということ。]
[神龍って?]
[神龍は神の化身で空をウヨウヨ飛んでいる竜のことだ。空からこの世界を守っている、火龍、水龍、風龍、雷龍の四種類いて全て神龍だ。]
[なるほど…ありがとな]結構大変そうじゃあないか、、、とりあえず、まずは500人殺そう。この城の兵は1500人ぐらいいるだろうしちょうどいい。
[なぁ邪王、技を貸してくれないか?]
[そうやすやすとかせるモノではないぞ。ううむ、それなら『邪流 グラビティ・ホール』を使ってみるか?]
[グラビティってことは重力操作系か?]
[ああ、決められた範囲内の重力を操作できる技だ。]
なるほどな。強そうだ。
次元式収納から邪王の魂のカケラを取り出す。魂のカケラを手のひらに乗せて願う『邪王よ我に貸したまえ』と、紅い玉がほのかにひかり、温もりを感じた。
一度しか使えない使い捨てなので試し撃ちはしないが、範囲内の敵たちを浮かせてから強い重力を与えればすぐに潰れるだろう。
準備は完了だ。
国を乗っ取ろうじゃないか。
勇者パーティから追い出されたので復讐して、さらに悪の帝王になろうと思う 光枝蛸焼 @takoyakikun_sh
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