[KAC20241+]全ての意見を壊して突き進むバッファロークリエイターの群れ

めいき~

※頼むから石投げないで

田代には、三分以内にやらなければならない事があった。


「田代さん、催促です」


「川崎っ、まだ二文字も書けてねぇ!」


「最悪の情報だった件」そういう会話を交わしているのが川崎と田代だ。


「もういっそ適当な要素ぶち込んで、適当に作ってそれ出しちゃうか!」

「たしろぉぉぉぉぉぉぉ」


※割と日常である


絶望に目覚めし、勇者爺と婆は戦車に引かれて異世界転移を果たしたが年をとったまま異世界に来てしまった為に強敵と戦う度に腰をやり息切れしてその度にピンチに陥る。


空を手にする程の力を持ちながら、腰痛と息切れとで常に大ピンチな爺と婆。


同情するなら若さをくれと、ドライアイの眼をこすりながら今日も戦う!


「これで如何でしょうか!」「いいわけねぇだろ!、ボツだボツ」


「ひひぃ~ん(馬の泣き声)」「馬の泣き声をやっても馬にはなれねぇ、さあ書くんだYO」


「川崎さん、こんなのはどうでしょうか!」「子安ぅ、お前ならやってくれると……」


昔、黒人は虐げられていた。それでも、必死に成功を掴むメアリー。メアリーは仕事に必至に生き、夫は常にこう言った。「キミが幸せになれるなら」と。仕事の成功こそが君の幸せならばと夫は自身が作曲家でミュージシャンだからこそひたすら自宅と仕事場を行き来しながら。


ただ只管、妻を想って愛を詠う。


妻の友達は、彼女にいうんだ。貴女はとても幸運で、それだけ貴女を想ってくれてるんだと。


そして、仕事人間の二人だけど。こういうんだ、「もしも、仕事に邪魔なら僕は君の前から居なくなろう」とそれにたいして彼女の答えは「傍に貴方の存在がないなら、私の幸せはないわ」そこでにこっと二人で笑ってこういうんだよ。「「ならお互い離れずにいなきゃね」」


「これで如何でしょうか!!」「いいわけねぇだろ!、没だ没ぅぅぅぅぅ!!」



「川崎さんが優しくないの……(人差し指を顎に当てて高い声)」「残念ながら、俺は筋肉のないひょろい男はノーセンキューだ。さあ、アホやってないで書くんだYO」


「川崎さん!」「おお、香織か!」


絵画が無数に飾られたバックにカーテシーする美少女を思い浮かべ、カーテシーなんだけど貫頭衣だからものすごくみすぼらしくて。背後の絵がその少女の過去を全て映し出していて、壁と美少女の服だけがみすぼらしく。


その絵が動き出しては、彼女の命が消えて。


天空に浮かぶ花畑で、彼女は一人悲しく笑う。


「如何でしょうか?!」「天空城のイラスト発注する予算ねぇよ、貧乏スタジオ舐めんな!」「ですよねーorz」「一番まともな提案だが予算が……」「知 っ て た」



「じゃもういっそ、金魚すくい辞めて筋肉すくいとかボディービルをポイですくってコンプリートとかのゲームでも出しますか」


「肌色を減らせって、色んな所がうるせぇんだよ!」


※そんなゲーム実在します


「じゃ人間丸のみからの、突然腹が割れて怪物が出てきたりするようなのをやります?」

「うちはホラーはやってねぇよ?」


「どないしろっていうんですか!」「どないにもならないからみんなであーなってんだろ」


川崎が指さした先で、男女問わず床でコロコロしている。



「そうだ!黒いフードかぶって現場から逃げ出して、辛い逃避行の末に実はその黒いフードが本当の親の形見だった事をしって抱きしめながら……」


「だめで~す」「何故だぁ!」「それ先月別のメーカーに出した外注ゲームのシナリオじゃないですか」「あれのシナリオ書いたのうちやつだろ」「もう使ったやつだからだめでぇすむりでぇす」



「おお神よ!、何故私達の頭には新しいネタが湯水の様にわいてこないのですか?」


「「「「そんなん決まってんじゃん、才能が無いからさ(百万ドルの笑顔」」」」


「先輩、トイレですか?トイレの紙ならばっちり補充しときましたよ♪男女問わず便器にしがみついて吐き散らしてゲロは出るけどネタは出ないとかやってますからね~」


「新人君、入社二日で悟りを開かないでくれたまえ!」


「川崎さんがいつもいってるじゃないですか、おお紙よ!!って」


「違う、そうじゃない!」



「そういえば、昔大工が、鉋かけさせや一発で腕が判るみたいな話してたな。ソフトに紙より削りカスが柔らかくてケツがふけるみたいな」


「いっそ、鉋を研究させて削りカスでケツを拭いて。失敗するとケツがやすりみたいに削られて大変な事になるゲームとかでもやりますか」


「アウトだろ、昭和ならともかく今はアウトだろぉ」


「じゃーどないすればいいんですか!」「私が知りてぇよ」



水の精霊を横たわらせて、所々に重油の様などろっとした黒い液体被せて色気とか体のラインを強調しながら公園の水道蛇口に横たわるドレスの処女がその手にことりをのせて一生懸命汚れた水から出そうとするシーンにジャストタイミングで小鳥を救わないと小鳥が半分にきれて中から怪物が出てくるとかいうのは……。




「それグラフィックでいくきか、ネタで行く気かっていうかまだ生物がぱっくりいくホラーネタ諦めてなかったんかい」「大体シャワーシーンとか増やしただけでも女性クリエイターには白い眼で見られるしな」「川崎さん、すでに自分が女性である事を忘れている件について」


「諦めたら、おしまいっていつもいってるじゃないですか」「川崎さんは女性としても色々諦めなきゃいけないじゃないですか(にっこり」


グーパンできりもみしながら飛んでいくスタッフを見ながら、余計な事いうんじゃねぇと白い眼で見るチーム員。


「使うネタ間違えると、社会的に終わるわアホー」「もう社会的に終わってもいいから帰って寝たいです先生」「誰が先生だよ、誰が」



「車を薬莢の様にぱらぱらと散らばらせて、今このクリエイターたちの悲惨な惨状をそのままやったらどうでしょうか?」「あの分からず屋のトンチキな上役たちが指でチッチッチとかやるの」



「SO RE DA!」「所で実装部隊のあーちゃん達は?」


「温泉行くって言ってました」「じゃ、どの道間に合わんがな……」


「じゃ実装部隊2の稲垣チームは?」「はいこれ」「なんだ…写真?」


そこには、潰逃戦隊バックレタインジャーにコスプレした稲垣が笑顔で映っていた。


そして、その写真の裏には「そろそろ、俺達はヤバそうなのでトンズラしますアデュー」と書かれていて川崎がそれを受け取って口を金魚の様にパクパクと。



「幻菜さんは?」「あの人は違う作品の(自主規制)シーンのイラスト描いてますよ、娘さん四歳を膝の上にのせながら」「誰か、紙おむつとミルク運んどいてやれ!あと、英才教育は早すぎるって誰かいっとけっ!」「しょうがねぇっすよ、近くの保育園全滅したらしいですもん」


「じゃ誰なら開いてんだよ、時間ねぇんだぞ」「いるじゃないですか、川崎さんが♪」


「FOOOOOOOOOOOOOO!!(絶望の雄叫び)」「やれるわけねぇべ、ちょっお前らやめ……」こうして、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れのごとく猛烈な勢いで吊るし上げる川崎のチーム全員。



このスタジオの名は……<GAMEOVER>。



おしまい

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