第3話イケメンに助けられたので自己紹介します

「大丈夫かい?」




未だに状況を理解できない俺に、大熊を丸焦げにしたと思われる青年が話しかけてくる。


恐らく俺より10歳ぐらい年上だろう。その顔はとても整っており、少し子供っぽさもある。


いわゆるイケメンだ。




「すみません。な・・・何が起こったのでしょうか?」




俺がそう言うと青年はにっこり笑って答えた。




「まずは自己紹介をしようじゃないか。」


「・・・レオン・シューディアスです。この森の北にあるケンプ村に住んでます。」


「レオン君ね。僕はハーモサ。24歳だ。よろしく。レオン君は、なんでこんなところに?」




そう言われ、どう答えようか悩んだが、俺は素直に


「父に言われて『大熊』を倒しに来ました。」っと言った。


すると、大熊を倒したと思われる青年、ハーモサが驚いたように言った。




「ふーん。ちなみに君の得意系統の魔法は?」


「・・・ありません。」


「無いの!?じゃあ剣術が得意だったり・・・?」


「全く出来ません。」


「そ・・・そうなんだ・・・。」




そんな会話があり、気まずさから沈黙が流れる。


見つめ合ったまま数秒後、先に口を開いたのはハーモサだった。




「ちょっと君のことを『解析』してもいい?」




・・・何を言っているんだこの人は?そう思ったが、すぐにハーモサは付け加えた。


どうやら顔に出てしまっていたらしい。




「違う違う。僕、実は『固有魔法』持ちなんだ。僕の固有魔法は『解析』。いろんな物事、生物を『解析』できる。」




そう言うとハーモサは、また微笑んだ。


・・・驚いた。まさかの「固有魔法」持ちだったとは。


噂程度には聞いていたが本当に実在するとは・・・。


自分を見られてしまうという不安もあったが、好奇心が勝ってしまい、結局「いいですよ」っと返した。




「ありがとう。じゃあ失礼するよ。」




ハーモサはそう言うと俺をジッと見た。俺はイケメンに見つめられて少しドキッとする。


いや俺にそっちの趣味はないのだが。


そんな感じでドギマギしていると、急にハーモサの目が青色に光った。


それに驚いていると、すぐに元の目の色に戻った。何だ今の?


そんなことを考えていると、ハーモサが口を開いた。




「・・・驚いた!レオン君。聞きたいことがあるんだけど、君が今までで、使えた魔法の種類は?」


「?、各魔法の初級魔法だけですけど?」


「・・・他には?」


「え?いやだから各魔法の初級魔法だけだって言っているじゃないですか。」


「自覚無し・・・か。まぁそりゃそうだろうね。こんな田舎じゃあ『魔法水晶』も無いだろうし。」


「いや『魔法水晶』ならありますよ?」


「じゃあ君は何色だったんだい?」


「変化なしでした。」


「!、やっぱり・・・。多分、君の村では誰もそれが何を意味するかが分からなかったんだろうね。」


「?、いや誰にも言っていませんけど?」


「・・・え?な・・・何で?」


「15歳にならないと、『魔法水晶』を使っちゃいけないんですけど、隠れて使ってしまったんです。」


「それは・・・何かの儀式か何かかい?」


「はい。」


「そうか・・・。レオン君、実はね、その儀式はね。普通は生まれてからすぐやるものなんだ。それに、本当に得意系統が無い人は白になるんだよ。」


「へぇ。そうなんですね。まぁ田舎中の田舎ですし、変なところもあるとは思います。・・・質問なんですけど透明は、どういう意味があるんですか?」




俺がそう聞くと、ハーモサはニヤリと笑った。




「・・・固有魔法だ。」


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補足説明①

得意系統では無い魔法も使えるのは使えますが覚えるのが難しいです。ちなみに、ハーモサは固有魔法持ちでありながら、炎と水と光の得意系統がある珍しい人です

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