第8話 王城でもお叱りを受ける?
「ルイス。どうしたの?王都から逃げ出そうとした一家が捕まったりした?」
「いいえ。王都から出ていこうとしたら留めるように門番を務める衛兵たちには命を出しましたが出ていこうとしたという報告は受けておりません。
国王陛下がお呼びです。お話したいことがあるそうです」
「わかったわ」
今日は孤児院に帰ってこれないかもしれないから一緒に寝る約束をしていたミリーに謝ってから私はルイスと共に王城に向かった。
王城に到着し、ノックして国王陛下の執務室に入ると部屋の主であるジュラルと第1王妃のナージャが腕を組んで待っていた。
「2人ともずっと腕を組んで待っていたのですか?」
「そんな事あるわけないだろう」
「そうよ。ノックして入ってくるんだからそのタイミングで腕を組めばいい済むわ」
「何故に腕を組まれているのです?」
「ルイスの報告でミリスがやり過ぎたということだからな」
ですよね〜。
でも私に甘いジュラルと面白いおかしく話を持っていくナージャからの説教ならシシリー副院長から説教を終えた私にはなんてことはない。
もし逆だったら気が重かたいこと請け合いだけどね。
「コラ!やり過ぎてはダメでしょう。王家に対する心象が悪くなってしまうわ」
「それはルイスが悪いのです。私が第2王妃ということを民衆の前でバラしたからです」
「!!」
ルイスはナージャと私のやり取りで矛先が自分に向き驚いている。
「「そうよね(だな)」」
「私が屋台の店主親子や孤児院に不満があると発言した方や同意した方だけに後で教えて差し上げればよかったのです」
「あの騒動の場に居たほぼ全員がその対象に入られてました」
驚きから回復したルイスが私にそう言ってきた。
「まあ、騒動のお説教はこのくらいでいいのではなくって……
シシリー女男爵からの説教が済んでいるみたいですからね」
「「そうだな(ですね)」」
「話は以上ということでよろしいでしょうか。なら私はお暇を頂いて実家に帰らせてもらいたいのですが……」
「「!!」」
私の発言でジュラルがショックを受けている。
どこにショックを受けるような発言があったのか……
ルイスも驚いた顔をしていたがナージャは特に驚きもせずニコニコしている。
「離縁ということか?」
「??」
離縁何てするつもりはありませんよ。
自由にやりたいことをやらせてもらえていますし、甘やかしすぎず、やりすぎた場合は注意してくれますからいい旦那様です。
だからなぜ離縁なんって発想に至ったのか意味がわからなかった。
「離縁しようなんて思っていませんよ」
その言葉でジュラルは安心したのかホッとしている。
「今日の出来事でまだイライラがおさまりきれていないのと兄からシュナイゼル辺境伯領で魔物が急増していると連絡がありました。
魔物のスタンピードが発生する前兆かもしれないので憂晴らしも兼ねてシュナイゼル辺境伯領に行き魔物討伐をしようかと思っただけですわ」
「それなら義父であるシュナイゼル辺境伯から報告の連絡が来た。
ミリスを寄こすようにという内容はなかったがな」
「兄が万が一を考え、父上に相談せず判断して私に連絡してきたのでしょう。
私はシュナイゼル辺境伯家の最強戦力ですから万が一あっても死傷者を最小限な抑えれ、被害が少なく済みますからね」
我がシュナイゼル辺境伯家の祖は、異世界の者だ。
私と違い転生者ではなく、魔王を倒すために勇者としてリッシュランド王国に召喚された異世界転移者。
勇者により魔王が倒されたが、王族や貴族たちは魔王が倒され平和になることに感謝した。
その一方で民衆も他国から平和に導いた英雄として絶大な人気があった勇者は、為政者にとって脅威でしかない。
魔王を倒せる絶大な戦闘能力、自国の国民だけでなく他国からも絶大な人気があるので武力でも人気による支持率で求心力敵わない可能性かある。
国王に勇者と年の近い未婚の王女が居れば王女と結婚させ勇者の人気を王家の為に利用できたが、王女たちは既に嫁いで一人もいない。
未婚の貴族令嬢の婿にしたとしてもその貴族家の発言力が上がり自分の意見を通そうとして来たり、発言力が上がることを懸念して他の貴族からの反対や妨害もあり得るのでそれも不可能。
そこで一部の王族や貴族たちは国王に勇者に爵位を与えて魔王が居なくなったが魔物が多い辺境地に辺境伯として据えてはと提案した。
平和になれば、人の国同士での争いが起こるのは定石。
他国がリッシュランド王国に侵攻するには勇者に与える辺境伯領から攻め込むしかない。
なので他国も勇者の領地に攻め込んだりしたら民衆から反感を受けるだろうからそんな事はしてこないだろうからという思惑もあっただろう。
そして勇者には、魔物の対処で大変だろうから貴族の社交などは免除で王城に当主として年に1回登城すれば良いと決めた。
別に勇者が当主として登城せずとも使者を送るだけでもいいとも決めた。
王都に居て政に関わらせたり、貴族に利用されたりするくらいなら辺境で魔物や他国の対策に使い、貴族として王都に来る回数を無いに等しくして中央との関わりをほぼ無くしてしまえばい。
つまり厄介払いされたのだ。
勇者も馬鹿ではない。
一部の王族や貴族たちの思惑に気づいていたし、理解もできたので提案を受け入れ辺境伯になった。
シュナイゼル辺境伯家の成り立ちはこのくらいにして私がシュナイゼル辺境伯家で最強という話に戻るとしましょう。
辺境伯家の者は勇者の血を引いているので元々強いのだが、そこに創造の女神によりシュナイゼル辺境伯家の娘として転生されたことにより更に能力増し増しなので私は最強ということだ。
幼少の頃は小さいので自身の魔力の膨大さに身体が耐えきれず虚弱であった。
その虚弱体質も偶然シュナイゼル辺境伯領を訪れた悪魔に特殊な力の封印魔法で成長に合わせて魔力をコントロールをできるように施してもらい元気になったのだがこの話は別の機会にするとしよう。
チートな転生第2王妃様は孤児院の院長先生 紅 蓮也 @-T2Ya-
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