第8話
「宇宙船を撃ち落としてしまった……もし私が好きって伝えていたら! そう思わないか? ナコ」
「はいはい、何回も言いますが、敵国に殺されただけの、能無しだったでしょうね」
ナコはため息交じりに呟いた。
自分の足り無さにだけ嘆けるって本当にお気楽能天気で羨ましい。
「そのときはそのときで、間抜けとして末代まで笑い話にしてあげますよ。まったく国の恥です」
私が好きって伝えていたら。
その程度の要求を国が飲むとでも思っているのか。
自分一個人程度の意思が優先される国家なら、そもそもナコたちが宇宙船を撃ち落とす必要があるのだろうか。
彼は本当に思っているらしいから全く質が悪い。
一見意味が解らないと思っていたけれど、本能的には理解しているのだろう。
どちらを選んでもナコたちにはもともと「死」しか残っていない事を。
全世界で、私の偽物を量産して不正競争開始!?「俺と結婚して欲しいんだ」「みんなを騙すってことですか!?」 たくひあい @aijiyoshi
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