二〇九話 恥知らず観察もほどほどに
一個として
最悪。こんな
さてどうしよう。
私がいる森の木々の隙間を見て隣の
なにかの合図。なにの、と訊くほど私はバカではないので、
そして、先ほどの場所に戻ってみると予想通り。あちらさんの「迎え」がにこやかに笑って待っていた。ので、私は
「悪ぃな、あんな魚か鳥かもしくは
「自分を育んだ者たちにずいぶん
「そんな覚え、一切、さっぱりないもんで」
「一応お訊きしたいのだが」
「てめえらがなにを思ってかは知らねえがただ利用されるのはもうこりごりだ。ってのが私の個人的な感情で意見。どうしても服従させたかったらできそうか試してみろや」
「……。では、こちらへ」
亀装鋼
私にはそちらの、素のむすっとした顔の方が好ましいので無理に取り繕ってくれなくて結構だ。それをへの字口で伝えると兵たちは出来栄えよすぎてキモい笑みを消した。
無表情を通り越して凍てついたゾッとする冷たい表情は兵士というより死刑の
それを偽りの笑みで
が、私が動じないのを見て、むしろ笑顔キモ~い思っているのを空気に見たようでやめてくれた。異様に、さっくりと
亀装鋼の兵たち――邑の連中に飯の手当てを与えているのとは別の三人組――は言葉短く命じただけで
利き手が違う者をわざわざ選ぶとか
私の背後で左右それぞれの利き手で刀の柄に手を置いているふたりは私が妙な動きをしたら、というのに備えている。ふたりの視線を
脚ではなく、足。もっと正確により
いかに私が
いろいろな経験は役に立つなどと言うがその手の経験を積みたい、と申し出るなんてとんでもないド変態様じゃねえか。よって、今後も希望しないし、抵抗する気はない。
その
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます