二〇六話 外に放られるなんて冗談じゃない
殿下は私が許されざる願いを抱えて
同じだけ、
私という当事者不在で話は進められて決着するんだろうか。ひどい、なあ。ひどすぎるよ、殿下。私だってあなたと同じものを見たい。あなたと同じ
きっと、殿下に
なにひとつ、決められない。自由にしていいと言われながら不自由で
どんな
わかりたくない。理解なんてしたくない。だが、殿下の声は
世界の
いいの? いいわけない。命令違反は国家
だというのに、然樹皇太子のは
そうでないと説明がつかない。鬼娘を探していると
亀装鋼がどういうつもりで、なにを目当てに私という鬼飼う娘に目をつけたか知れないが
先ほど殿下は「
……まさか、だが。
てか、性に奔放云々での節操なしだったら本当にいやすぎる。私一応もう殿下に身を預けたんだぞ。それを抱くというか抱けるのか? この
どう、しよう。違った意味でいやな汗が噴きだすですよ。いかん。まじめに
ただ、問題はやはり変わらず亀装鋼の戦力
「
「一将軍として
「……なんだ」
「亀装鋼と戦って勝てるとお思いですか?」
「……。難しい、だろうな」
「生ぬるいことをおっしゃいますね、殿下。こちらが式に通じない以上勝ちの目はありますまい。特に相手は
私の指摘に殿下はぐ、と押し黙った。思い当たることがあるのだ、彼に。式を
最悪の最悪を考えるなら天琳の北領が亀装鋼についてしまう可能性すらある。式の戦力分ただでさえ
そうなれば苦戦以前に戦にすらならない。
「静、どうしろと言うつもりだ? 陛下に」
「いまさら無理をして話に混ぜようなどとしてくださらなくても結構ですよ、殿下」
「! のけ者にするつもりなど……っ」
「ええ。承知しております。ですが、そういう
殿下は私を守ろうと必死になっているようだがそんなことしなくていい。私は私をわきまえている。
私などを娘、と妹だ、と言ってくださった
私は私の
殿下、私へ対する
そうして誓って覚悟して腹をくくったからには
表面こそ揺らごうと奥底の、
そんな殿下を追いだしてもらって私は早速
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