二〇二話 申し訳ない、これに尽きるよ
私はふっけーため息を吐きだして最後の
続いて「
いや、あのホント申し訳ないくらい心配おかけしてしまって私のない胸がさらにぺたーっとなっちゃいそうな、そんな思いでいっぱいでございます。殿下さ、締めていい?
もう、もうね。ここまで心配させておいて放置するとかひどい
私だって呆れたいし、申し訳ない。ひたすら「殿下の
それ以外になにを言え、と? 他に言えることなんてないだろうが。ある、という主張があるならこっちに来てみろ、殿下。私が
「どうぢゃ?」
「ご心配おかけして申し訳なさすぎる」
「ぢゃろうなあ~」
だろうな、って月んな
ああ、しなやかな尻尾がゆ~らゆらと。……アレは虎静が大きくなった折には掴まれて困るんじゃないだろうか? だなどと現実逃避しちゃう私だが、食事を搔き込んだ。
食事を終えた私は月に頼んで
月が文句と注文をつけまくって彫らせた印は彼女自身、
自信
で、虎静のおしめの洗い替えを持ってきてくれた
ふたりは快諾して、私が食べ終えた食事の皿をさげ、芽衣に文を持たせて一緒に連れだしていった。寝室の窓から外を見ると冷たい
でも、それは叶わない願い。わかっているがそれでも願ってしまうのはひとの
叶わないから願うのか。叶えたいから願うのか。私には、まだ人生経験浅い私にはわからない。ただ、近くなにかが起こりそうな予感はある。
なんでもないことだといい。予感になるくらいだから悪い、のかもしれないがあまり
ちらり、と見る先。小さな目をしぱしぱさせて起きた虎静がやがて
「大丈夫さ、虎静。心配
「うー?」
「うん。お母さんはお前が大きくなるまで守ってみせる。お前のこともお父さんも」
多分だが、ここに殿下がいたら「俺の
そりゃあ、虎静にしてみれば私も母親、という意味で代わりのいない存在かもしれないが
理解して納得したフリをしていないと世界の理不尽に踏み潰され、
「ほんに、男前だの、
「……そうかな」
「自覚せい。普通の女は言えぬ」
そんな突っ込みを喰らった私は
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