一九二話 この天狐は通常営業(?)だ
ここには
そういう点においては私にも母親の自覚があるんだ、あるのが当たり前なんだーなんて思っちゃったが、普通のことじゃないか、そうでもないのかはわからない。だって。
母なく、育った私だから。誰かに教わらなければ母親なんて
赤子が今なにを求めているか、なんとなく察せるのだから。
そうして備えていられるので特別身構えて緊張している、ということがあんまり。
自然体で振る舞えているらしい。なによりですね、とかなんとかここ数日を思いだしながら
……なんか
今のところそれらしい力は
少なくとも赤子の時にわかるほど強力な
私の乳から
つまり、強いあやかしと手を取りあうことができる
ほぼ人間と同等。
だったらいいんだ。このコが私のせいで将来不利をこうむりさえしなければそれだけで私は安心できる。その頃私がどうしているかは不明だが、あの夢が
「んく、く、ふは、ぅー、けっぷ」
「はい、
「上手はぬしぞ。引くほど手慣れおって」
「そうか? 日に何回もやるんだぞ、これ」
「で、あっても慣れすぎぢゃろ。まっこと
「うー?」
睨まれた
こいつ、赤子に
通常の、他の、周囲に対するのと同じ態度で接している、のは月なので「赤子だからと特別扱いなど
うーむ、どうしたものか。いや、いいのかもしれないが? まわりに
それを幼い頃から身に
ここに、このごく限られたゆりかごの中でのみ実現しているだけ。世間にでれば
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