出産騒動のち、彼の方から特別な贈り物
一九一話 とんでも出産から……
「ふええ、ふえ、ふえええぇああ……」
「んん、はーい」
私と殿下の間にできた
けっして順応しているとかじゃなくって単純に感覚が麻痺しているだけで泣き声に応えていろいろとお世話を焼いている、追われているだけでもう、究極忙しいだけだよ。
それにこのコ、夜は寝る前にしっかり
まあ、その代わり朝が早いんだが、このくらいは
しかも、そういう場合母の乳は張るまでいかないので代わりを用意しなければならないのだとか。動物の乳に野菜の
それを布に
三倍だのじゃない。三乗だ。考えただけでぐったりするが、
赤子だけでなく私の排尿回数、便の状態などから健康状態をさっくり
お産や助産の経験がある
「ふえぇ、ふ、ん、んくんく」
「やれやれ、毎朝いい目覚ましだ」
「お。今朝も
「
「いや、そろそろ泣くかと思うての。ほれ、
なんだか慣れてしまった
いつもだった。子が生まれてから月はこうして朝一に湯を沸かして寝室まで持ってきてくれる。今日はいつもより早かったので侍女
なんか、この
どうやら宮のみな、私の出産の急さに驚いたがそれ以上に吾子の様子が気になって気になって。ついでに言うと可愛くて可愛くて
みんな仕事が早くなった。いや、今までも仕事きっちりさっさとしっかりしてくれていたがより力を入れつつ、手抜かりなく即行で終わらせて吾子を見に来る日々である。
特に
それはもう、芽衣自身にきょうだいが生まれたかのようなうっとりぶりでふにゃあとデレデレになっていらっしゃられる。私がちょうどお手洗いにいって帰ってきた時の顔からしてもぞっこんですよ。可愛さのあまり顔が
それこそ気を緩めすぎないの、と砂菊に叱られていたこともあったが珍しく反論していたっけ? 私が産んだ子が可愛いから会いたいと思うのは当たり前です、とかって。
まあでも、それだってどこぞの「誰かさん」に比べたらとっても可愛いもんだが。
その誰かさんは毎日のように宮を覗きに来るようになった。
そう、殿下。
しょうがない、と言いたげに言わんばかりで苦笑いしていた。こればっかりは
そんな感じ
欠伸ひとつで大騒ぎだ。笑おうものなら
私が
私の方はもうすっかり
……
あんなみっともない(というのも
それを考えると殿下はいったいどういう面で四夫人たちの
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