一八三話 どうしたものか、だったのに
これ、他の
どう、どうなるんだ。結局、というか私が原因でドロドロ
い、いやだなあ。せっかく殿下が厳選に厳選を重ねたっていうのに、さ。やめて、
果たしてどう釈明したら誠意と真実が伝わることやらというのも心配だけど、一番の心配はこの腹にいる(と、
そんな、人間の体の構造上すぐ
まともな姿で生まれてきてくれるといいんだが鬼のように角があったり、牙が飛びだしていたら……
……これって殿下に言っても大丈夫かな。いや、だって受精卵ができあがって
生まれてから言ったら怒られるし、今言っても驚きとかで気絶されそうな予感だ。
って、生まれる心配をもうすでに、とか気が早すぎるだろう、私。だいたい数刻で懐妊したかもしれない、そう「かも」というだけだ。慌てすぎで、心配しすぎだと思う。
やれやれ、月が
これも懐妊の
想像豊か、というよりは
食べていく。食べているんだが、どれもこれも味が薄い……? あれ? いつもこんな味だったっけ。それになんかあんまり入らない。もう腹の中は空っぽの筈なのにな。
昼と違って食べる量が増えてもいいと思うんだが
うっ、と胸の
どういうことだろう、と腹をさすった私の手に
「む? どうかしたのか、ジ」
「う、いっ……あ、ぐぅ――ッ」
「いかん! すぐ横になれ、
月の疑問に答えようとした私だが口を衝くのは痛みの呻きだけ。まずい。なにがまずいって経験のない痛みすぎてもう、なんだ。できないがもんどりを打ちそう、って点。
私の
その声は聞こえていたがはっきり言おう。どうでもいいくらい腹が痛い。これ、いったいなんだ。腹痛だのそんな
「静様、大丈夫でございますか?」
「無理、む、り……い、痛、い――っ!」
「静様、お気をたしかにっ……て、緑翠」
「なに」
「は、
「ちょ、静様! いつの間に!?」
うん、ごめん。答えてあげたいけどとてもじゃないが答えられない。例えそうしようとしても意味不明な音が
ダメ、無理。まともな思考ができない。おかしくなるほど痛い。なにこれ。なにこれどういうこと、紫玉。はすい、ってなに? えっと、ええっとー……いや、無理痛い無理無理っ頭の中バカになっているのがわかるくらい痛い。もう、さっきからそればっか。
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