これ、こんなことってあるか?
一八二話 妙な夢。狐のキモい気遣いの理由
その時、見た夢は奇妙極まりなかった。殿下と夜を共にした先にある未来でも見たのだろうか? 大勢のこどもが私めがけて駆けてきて「
ただし、こどもたちがどんな顔か、というのはよくわからない。夢だしなあ、とは思ったがなぜかと言うほどではないもののそばには殿下がいてこどもを順番に抱きあげてくれているのが見えた。殿下に抱きあげられてこどもたちはいろいろ反応するわけだが。
殿下の顔を
少なくとも私の幼少期に似たコはいないように見えたが当たり前だな。あんな
なにを話したか、はもう思いだせない。辛かった幼少期などもう捨て置けるほどに今が幸せだから。そうして、
栄養価的に、昼がアレだったからか
なんか、なんか気持ち悪い。なにがって月の謎すぎる態度が不自然すぎて、に決まっている。他にあるか? ってくらい私に嫌がらせのつもり、にしてはやけに丁寧に食べさせようとすらしてくれ、挙句ちょっと硬い肉は噛みほぐしてやるか? とか訊く始末。
「月、まだ怒っているのか?」
「なにをぢゃ」
「いや、朝をその、アレして」
「いいやあ。というか、
「? どういう意味だ」
「……。あくまで妾の憶測ぢゃし、うーん」
ちょ、なんか気になるんですけど。この
ど、どうした?
すごい真剣なまなざしで突き刺された。な、なになんだなんでしょうか、月さん?
私が困ってひとまず
「
「ぶーっっ!?」
噴いた。含んだ白湯まるっと噴きだしてしまった私は目を白黒させていたんだと思うというかそれ以外にどういう反応を返せ、とおっしゃられる。って誰に訊いている!?
いや、それよりもええ、ちょ、は、ええ? な、んだって言ったこの狐。今なんて言ったっけ? なにかおかしな、それも相当へんちくりんなこと言わなかった、かなあ?
気のせい? これは私の聞き間違いで受け取り間違いでなにか誤解が生じているんじゃないのかな。か、かいにん? 解任? なにから、なにの役職から……将軍?
できれば后から降ろされる真似は避けた、いなあとそう、
噴出した直後の顔を月に向けると困った顔で出迎えられ口元を布でふきふきされておでこに人差し指でぺん、と一撃入れられた。――懐妊。
……いやいやいや。その説はさすがに無理があるだろうよ、月。だって殿下との行為は昨夜がはじめてでた、たしかに無尽蔵体力でかなりそのあの、シたけど。いかにあやかしがいろいろおかしいっていったって限度がある。昨日ヤって、今日
おかしいだろ。
「けほっ、おバカにふざけるなよなっ」
「おおいにまじめぢゃ」
「なお
「うーむ、そこぢゃよ。
……。そう、いえば昼に食べた酸味の利いた
たしかに普段はよほど疲れていない限り眠いと思う方が珍しいくらい睡眠欲求は薄いというのに
言われてみれば当て嵌まる。怖いくらい。てかあやかしの懐妊初期症状なんて指標があるんだな、一応。ふーん。……。……え、で? 私はいったいどうすればいいんだ?
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