一八〇話 突然、だったけど、でも、うん……
てか、
私が
私だってやる時はやるんだ。うまくできているかは
心配なのは仕方ないか。鬼の
「とても
「……。ああ、俺が選んだからな」
「でん」
「
なんだ。殿下、急に口ごもったりしてどうかしたんだろうか。なにも変わったことはなかったと思うのだが。なんて
それも以前、
……。うーむ、これはもう決めるしかないか。そう考えいたったので離れた殿下が口にする前に私は頷いておいた。約束して、はいないがしたようなものだ。
全然たる自然で后妃に、
私とていつその時が来てもいいように
「静のにおいは落ち着くな」
「わ、たしも殿下の香りは」
「若いのよ、
「月、今日は邪魔しないんだな?」
「なーんぢゃ、してほしいのかえ~?」
「ヤダ。せっかくの
殿下、なんですか、そんなふうこどもみたいなこと言って。いえあのその、ずっとお預け地獄だったかもしれませんがそれでもそんな
が、月は珍しく
それは、アレか。「せいぜい抱き潰されて
やめてくれ、不吉で不名誉で縁起でもないこと目で言うのっ! 現実になったりしたらどうしてくれんだ。責任取れるのか、って責任は殿下に発生しないか、その場合は?
と、いうのもどうでもいい。私の肩に顎を乗せて甘える殿下の手が帯に伸びてきたのでいち早く私が自分でほどいた。するり、と音がして帯がほどけて私の服がはだける。
ふふ、と耳元で笑い声。殿下は私が緊張しながらも精一杯気遣っている様がおかしく思えてしまったのかな。でもすぐ、私を抱きあげて寝台に乗せた。ふたりで
で、どちらからともなく苦笑いして今度は私から口づける。ちゅ、ちゅ。軽く、小鳥が
……気のせいだろうか? なんか、
立派すぎないかな、殿下。これ、私、
と、訊かれたら「え、ええっ」と困ってしまうっつーやつでございます。ただ、ここまできて殿下のアレに驚いて、怖くなって
ああああ、もっとよく考えておくんだったという後悔も先に立たずだ。で、私が赤い顔で
「大丈夫だ、静。俺もはじめてだが
「や、え、私はその」
「静は正直なんだ。自覚してくれ。あと」
「?」
「夜になると色が変わるんだな。昼の顔と夜の顔どちらも等しく愛しい……俺だけの大好きな、静。愛している。愛したい。身も心も満たして満たされたい。もう
ぼむ。顔がそんな音を立てて真っ赤に染まったのが鏡を見なくてもわかった。このひと時々
私は恥ずかしさを
この時、殿下がぼそりと「わざと狙っていないのがまたなんというかなあ」とか言っていたように感じたがその先はもう、はっきり覚えてはいるが思いだしてはいけないくらい優しくしかし、激しく愛された。そのあまり、時間を忘れてしまっていたほどにだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます