茶会前の秘密情報の流れから……え?
一七七話 待っていたお客様
「ただいま」
「あ、
「わかった」
全然尊敬されない負の意味でのすごい、にはなっちゃうがそれでもそれが他の
それもまた礼儀だ。殴るだの怒るだのは真相解明後でいい。先にやっちゃったら気まずくなる、というのはもう過去の失敗から経験済みだ。勝手に怒って、
経験がある、というのはよくも悪くも
「お待たせしました」
「静っ!」
「殿下、どうかお静かに」
「そうは言うが、こんな。静がこの報せを受け取ってしまうだなんて、惨いじゃな」
「割り切っておりますので。それに私にとってあそこはたかが
割り切っている。あそこは生まれ
そして、偶然にも生き残った、
見捨ててさっさと逃げだせばよかった。だが、
その縁を
ただの、将軍ひとりでしかない。それを気にかけないでください。殿下、これが
だから、そういうふう平等に接してほしい。
愛を無視してでも
一切
私を、好き勝手
「殿下、陛下はなんと?」
「……」
「構いません。おっしゃってください」
殿下がなにを迷っているのか、およそ予想はつく。だって、立場こそまったく
だから、殿下は迷っている。邑には私を
でもね、殿下? そいつらが私にどういう仕打ちをして扱っていたのかも、忘れたわけじゃないでしょう。あいつらは私を娘として扱わなかった。
こいつらをどうして、どうやって私は許せると言うつもりなのだろうか。到底、この世の果てにたどり着けても、世界の
それくらい、深く大きな爪痕を残している。跡じゃなくて痕。私の中で
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