一七五話 なぜ私がするんだ、こんな説明
私は、鬼の娘。わきまえているし、殿下には広い視野を持ってほしいと願っているからこそ、多くの女性と交流してほし。……ん?
「凛鈴様、殿下は
「?
「ええと、もしかして殿下の
「はい? え、え、どういう」
ああ。この感じ、そういうことか、殿下。あのね、あなたね、ご自身の妃たちにどういう無関心さだコラああああっ!? それ、それは凛鈴妃も気が気じゃないわ。私が気安い理由を知らないんじゃあ。と、いうわけで私はかくかくしかじかを説明しておいた。
殿下の
殿下がもう妃選びを終えてしまっていたことも妃として入内し、
殿下の
で、一番に硬直がとけたのはこのひと。
「で、ででんで、ん殿下が、殿下は、殿下」
「
「いえ、無理でしょう、静様」
硬直はとけたようだが、動揺はじっくりしっかりがっつり浸透していっているようで珊瑚妃はでんでん歌って(?)いる。でんでん
本当、まじめな話初耳だった様子。殿下、説明責任、という言葉をご存じですか?
もしくはそれがあなたには義務として発生することを存じなかったのか。どちらにせよこれは
自分の妃たちに後宮に入るのは四夫人と私だけだ、というのくらいなぜ言わないでいたんだい? 私は心の底から疑問だよ。もしかして緊張感の刺激を与えようとしたの?
こう、なんていうのか「あとから続々入内する妃たちに
一番ありうる可能性が残念すぎて泣きたくなってくる以上に申し訳なくてならない心地なんですが、私。殿下、これはアレ、うっかりたんに言い忘れていただけなのかな。
殿下の性格上、嫌がらせや
ない、と誰か言ってくれ。常識ある誰か、もう誰でもいいからそうだと言ってほしいです、私。だって、
ぶつぶつ聞こえてくる「わ、ワタシ? ワタシ、が最低限で選ばれタ、妃?」が可哀想だよ。まさか四夫人の座が永遠だなどと思っていなかったのだろう。すぐ他の妃に
殿下、別の意味で罪づくりだ。よし、今度
「つ、まり静様に一目惚れして……?」
「ええ。とんとん拍子に話が進んでいってしまい毎日訪れる妃候補たちからせめて四夫人は据えろ、と皇帝陛下に言い含められたらしく。その中で殿下が厳選に厳選を重ねて選んだのがみな様、四夫人というわけですね、はい。あの、てっきり私、殿下が説明を」
「ひ、一言もありませんでしたわっ」
「ぐ。わ、私から殿下に
私の途中から呼吸の
ふうう、と重い息が私の唇から漏れる。殿下、本当にあなたってばどうしてこう肝心な部分で抜けがあるんだ。お陰で私の心労が増えるだろうが。なに、狙っているのか?
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