一七四話 喜んでもらえて……え、なに?
お腹に
「まあ、美味しい」
「
「こちらの甘味、不思議な味わい……」
「そちらは極東の島国に伝わるわらび餅、なる菓子の応用でお手が汚れないよう中に
「さすがは
「美味しいデス。こんなのはじメて」
うーん、個性がでるな。茶請けの感想ひとつとってもそれぞれの
凛鈴妃は
珊瑚妃のあの目は、もう完全に商売を考えているな。これはたしかに寒い北の地では味が濃くて流行りそうではある。紅楓妃は言葉のままだ。はじめて食べる
なるほどねえ、殿下。
それが私への課題。
「
「……。あ、あのう、
「はい?」
「このように
「そういうもの、でしょうか。私も「普通」というのには非常に
「そ、そうではなくてっ!」
あのおとなしい、というか物静かだった凛鈴妃が急にくわっと目を見開いて私は「あれ失言だったかな?」と思ったが、違うらしく凛鈴妃は獲物を見つけた
あ、可愛い。このひと
可愛さが、
凛鈴妃はつい一瞬前の自身をちょい
「ただの
「あら。一番の身のほど知らずがですか?」
「だ、だからっそうして
「そんな
凛鈴妃の言葉を恥ずかしさから遮る。「殿下に寵愛される御方なので、
正直まじめにぶっちゃけた話どうでもいい。殿下の寵を独り占めうへへ、とかってそんな気色悪くって浅ましいこと考えていない。あのひとの熱い愛は平等に
そう思っているからこそ、后妃という建前でありさも
最も深く強く愛される資格を与えられた存在だから特別視されるべき、だなどと。
そんなのは、それこそ畏れ多い。
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