一七二話 思った以上に気にしている様子
鏡片手に
で、最初のふたりがそうしてしまったので他の妃たちも
「晴れてよかったです。綺麗な
「お心遣いに感謝を、
「ありがたく、存じます」
「あ、りがとうござ、います……っ」
私が茶会の開始、にしてはちょっとアレな言葉だったもののはじまりの合図に妃たちがそれぞれ反応した。……約、一名を除いて。
「わ、ワタシ、場違いデは?」
「はい?」
「こ、こんな綺麗な方々バっかり、ワタシやはり、不自然でハありませんカっ!?」
……。ああ、うん。殿下隠すつもりがあったのかなかったのか、不可解なくらいはっきりまるっとわかってしまっちゃうな、これ。なるほど、親のごり押しで
私の方が万倍も異端な女だ、という自覚がおおいにあるので紅楓妃に私としては笑いかけるよりほかにない。なんとなく、なにを言われて後宮に来たのかすら予想つくが。
これも礼儀だ。訊いてみよう。言いたくなければそれでいいし、他に遠慮したり、自分の意思を押し込めてまでして無理に後宮に留まらなくてもいいよう殿下なら
「なぜ、そのようなことをお考えに?」
「……っ、ワタ、そ、の
ああ、そういえば殿下の名簿にちらっとだけ書いてあったな。紅楓妃は
残された紅楓妃はその家、である筈の城で
んだけど、殿下の
と、いうところまでは殿下も把握していたようだけどどうも予想以上に
てか、ふしだらな体て。もしやてめえらが
「ワタシ、一度として
「なるほど。ではひとつ
「あ、ぁ、はイ」
「紅楓様は殿下のことがお嫌いですか?」
「い、いいエ! と、
「そう。ではこのまま殿下にお仕えして支えのひとりとなって差しあげてください」
「で、すガ……っ」
尻すぼみになる言葉。それはひょっとしなくても、殿下の
紅楓妃は
なるほどね、誰しも
特に殿下が選んだ妃嬪たちは
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