一七〇話 それ、意外すぎるんだが?
「
「十八です」
「そうですか。私よりふたつ上なのですね」
「と、申されますと
「っ、そ、私などただ、幼少より自分の
はてさ。訊きたいこと? 凛鈴
では、いったいなんだろ。とはいえ、ある程度は予想がついているんだが。凛鈴妃はしきりに殿下からの贈り物を
でも、それというか獣を仕留めて締めて送るのはやめた方がいいと思うよ、私。だって場合もクソもなく殿下に届けられる前に
殿下に不吉な贈り物をするなんて、不心得で不届きな
そういうの聞く
柔軟に、臨機応変を気取る真似程度はしてみせないと向けられるのは恨みの目だ。
「殿下は私の
「私もそう思いますが?」
「あの、えっと。本当、なのでしょうか」
「と、おっしゃいますと」
「私のような
……。なんだ、この妃様は
と、いいますか。あなたが下賤だったら私はどうしたらいいんだ。
こう、遊牧民族の長は娘だ、とか。そういうの一切ないただの
それだけ。特別もなにもない、取り柄もあやかしと深く関われるだけの
むしろ、私こそがなんの特技もない。特筆すべきモノがない
羨ましいなあ、とは言わない。ないものねだりはしないことにしているというのもあるが私は私のままで殿下が選んでくれたのなら無理に変化を、
「殿下にご自身を
「い、いいえっ
「では、気になさる必要はないかと。殿下はあなたの
「ほ、ん質……? 私はただ芸に通じる」
「それでよいのです」
そう、それでいい。それ以外になにが
それ以上など望んではならない。以上を望めば待っているのは落とし穴。通じる先は地獄かもしれないのに。だから、望んではいけない。身の丈にあって望み、習得する。
そういうのはきっと難しい見極めになる。その手のことはそれこそ人生経験豊富であってかつ、
「殿下は
「いいえ」
「では、凛鈴様はなにをご
「……私のような
「ふふ、耳が痛いですね」
「静様?」
「あなたより私の方が粗暴では格上です。なにしろ殿下の為ならばと戦の場にも参じて敵兵を
この時、凛鈴妃がした顔は結構というかかなり印象的だった。
しばらくも笑っていた凛鈴妃だが、私が庭の先というか入口の辺りに視線を投げたのを合図に咳払いして姿勢を正した。まだ約束の時間まであるのにみんな
どこぞの
ってので一応落ち着いた私が立ち、凛鈴妃が続こうとしたが私は手で制止して座っていていい、と示した。一番に待ちあわせ場所に来てくれたのと
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